千葉日報オンライン掲載記事 4/14 掲載分(教科 国語)
「国語ができる子に育てるために」
国語力を身につけるにはどうしたら良いですか、と言う問いに対して、「読書をすれば国語が伸びる」というのは、納得しやすい回答です。実際、多くの研究で読書と成績に一定の相関関係があることが報告されています。
なるほど、では本を読ませればいいのか。でも、うちの子にどうやって本を読ませたらいいの ?
国語が苦手な子どもの多くは、同時に読書も苦手です。国語力は全ての教科の根本であると言われます。書いてあることを読み、何を言っているかが分かるという力は、どんな教科でも共通する能力です。
でも、現実に国語が苦手でも算数や数学ができる子はいるし、その逆もそうです。なぜなのでしょう。
国語が苦手な子の原因の多くは、ずばり「読み飛ばし」です。難しい文を読んでいて、分からない言葉ばかり出てくる。興味が持てない話ばかり出てくる。どうしますか。
辞書で調べる?いいえ、「読み飛ばし」ます。こうしたことが積み重なって、飛ばして読むくせがつくと、内容が頭に入らなくなっていくのです。
それを防止するために、小学校では頻繁に教科書の音読の宿題が出されますね。音読が苦手な子ども、何度もつっかえて読む子は、ほぼ例外なく国語が苦手です。読めないと言うことはその言葉が分からないということですから、その子にとっては文章が「虫食い状態」に見えているのです。
文章を読むにはそれを構成する単語を知っていることが必要です。読解力を支えるのは語彙力です。
これは何も国語が苦手な子どもだけでなく、どんな子どもでも、大人でも、自分の持っている語彙力以上の文章は、読んでも理解できません。
ですから、子どもが今取り組んでいる文章に即したレベルの語彙力を身につけている必要があります。
と言うと、なんだかとても難しい話をしているように聞こえますが、要は学年相応の漢字の読み書きができれば良い、ということです。
日本語の文章の難易度は、ほぼ漢字と熟語の難易度に比例します。小中学生が習う漢字は特に、学年が上がるほど抽象度が高まる傾向にありますから、漢字が分かる子は抽象的な概念が分かる、イコール高度な文章が読めるということなのです。
ここで確かめたいことは、1学年前までの漢字がきちんと書けるようになっているかどうかです。
漢字と言うのは、完全なる積み上げの知識です。たとえば1年生で習う漢字の多くは、その上の学年で習う漢字の構成部分を成しています。習得すればするほど、次の漢字を習得する効率が上がっていくのです。
これは逆に言えば、低学年で習う漢字の読み書きが定着していない場合、上の学年に行けば行くほど苦労することを意味します。
ここで最初の問題に戻りますが、国語力を身につけるには、まず漢字の勉強をしましょう、ということになります。
ものすごく当たり前すぎて拍子抜けしてしまいますが、これをきちんと実践することは意外と難しいことです。
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