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2023 新年度 保護者説明会令和5年度 千葉県公立高等学校入学者選抜 学力検査問題 【講評】

令和5年度 千葉県公立高等学校入学者選抜 学力検査問題 【講評】

国語
大問7題の体裁や内容は平年通りだが、昨年より取り組みやすい問題で、平均点は上がりそうだ。読解記述の字数は長めのものも増えたが、整理しやすい工夫がされている。
選択肢においては細部の違いを注意深く見極める必要があった。

聞き取り問題は、文化祭の出し物を相談する場面で、メモや内容を整理する力が必要となった。

説明的文章は、行動における意識と非意識に関する内容。
解答に従って、本文の内容も読み取れていく良問だった。

文学的文章は、フルート演奏に悩みを抱えた少女の話。
(2)のまとめ問題は、心情を自分の言葉で整理するものでやや難しい。

古文は宇治拾遺物語の「氷魚盗み食ひたる事」。
(4)の話し合いの流れを解答に生かしたい。

200字作文は、諸外国との文化交流の意義について。
後段の自分の考える交流については、イメージしやすいと思うが、前段の資料から自分の考えやその理由を整理できたかがポイント。条件に沿った作文であることが第一である。
数学
 問題構成は、昨年度と同様の大問4問構成。
大問1、大問2が昨年より易しくなっているので、平均点は上がると予想される。

大問1では、2年連続で「四分位範囲」と「箱ひげ図」が出題された。昨年は正答率がかなり低かったが、今年は基本事項確認の選択問題にかわり、多くの生徒が正解したと思われる。
作図は、円の接線をかかせる典型的なもので取り組みやすかった。

大問2は座標平面と図形。
例年2次関数だが、今年は大問1で2次関数の出題があったからか、1次関数であった。
(2)の文字において式を立てる問題は、苦手とする生徒が多く、正答率は低いと思われる。

大問3は平面図形。証明は、昨年同様すべて書かせる形式。
(3)はかなり難しくほとんどの生徒は不正解と思われる。

大問4は会話文を読ませて、方針を与えながら思考させる問題。
今年はじゃんけんをして点数を競い合うゲームが題材で、取り組みやすかった。
記述は、答えを求める過程を式や言葉で説明させるもので、会話文に誘導があり、これも例年より正答率が上がるだろう。
今年のように、極端に難しい問題を除き、他の問題が易しい場合は、ミスが命取り。時間配分を考えて、できる問題を確実に得点できたかどうかが勝負の分かれ目になりそうだ。
英語
 問題の構成および設問数(リスニングの配点含む)は、昨年度までの前期選抜をほぼ踏襲している。
難易度も同程度であるが、リスニングでは昨年度よりはやや難しい問題も見られる。文法問題でも大問5の⑵、⑷、⑸は昨年よりはやや難。

大問6は設問数が前年の1題に対して、2題に増えているが、前年の「25語程度」の1題に対して、本年度は「10語程度」を2題となっており、また、内容的にも想定しやすいものの作文であるため、難易度は例年並みと言える。

大問7の⑵②は、与えられた複数の情報からTedがチケットを予約した日付を導き出さねばならないので、単なる内容一致問題ではなく、英語力以上の能力が求められる。

大問9の⑷。大問6と大問8⑶は比較的解答の幅が狭いのに対して、当該の設問はそれらよりは広く作文することができる。当該箇所の次のMr. Hughesのセリフが「それができるといいね」なので、⑷には「ファーストペンギン」の考え方を踏まえて、具体的なものから一般論的なことまで、いろいろな表現が可能となる。
理科
 2021年度より入試が1本化されたが、昨年に引き続き問題の構成は、以前の前期選抜と同様である。
大問1が基礎的・基本的な知識を問う小問集合、大問2~9は物理、化学、地学、生物の各分野から2問ずつと、全学年の学習事項からバランスよく出題されていた。

昨年の入試と比べ、作図、文章記述の問題や計算を要する問題の増減はあるものの大きな変化はなかった。難易度は、同等と思われ、昨年と同様に突出して難易度が高い問題はないので、各分野の基本的な事柄がまんべんなく身についていれば高得点を狙える出題といえるだろう。

やや難易度が高かったのは、大問2(2)(a)~(c)のばねののびと台ばかりの目もりの関係を考え、その関係を示すグラフを作図する問い、大問4(4)の反応で残る物質名とその質量を計算する問い、大問6(3)の金属をイオンになりやすい順に並べ替える問い、大問8(3)の方位磁針をコイルのまわりで移動させたときの方位磁針の針の回転の向きと回転の回数を考える問いなどであった。このうち、大問2(2)、大問6(3)は、問題中に示されたデータなどを読みとって答えを求めるという思考力を問われるものであった。
社会
 大問1は「ちば文化遺産」をテーマにした総合問題。統計資料は特徴ある数値より、解答の糸口を導き出したい。

大問2・3は地理分野からの出題。
日本地理では防災や地形図の読み取り、外国地理では世界地図中の緯度や経線、各都市間の時差を導き出す問題に加え、アメリカ合衆国の農業形態、オーストラリアの成り立ちが出題された。

大問4・5は歴史分野からの出題。
千葉県に関係する歴史的資料から各時代の主要なことがらが、空所補充・正誤判定・整序形式などで出題された。
年表は北里柴三郎の生涯をたどるものであるが、本人の業績ではなく、歴史の知識が問われている。

大問6~8は公民分野からの出題。
契約が成立する成人年齢が18歳に引き下げられたことに関連して、消費者問題、金融問題など、高校生として知っておくべき知識の内容が問われた。
他には人権の成立過程や国会、国際社会では地域統合や経済連携の具体的な名称が問われた。
普段から新聞やテレビなどのニュースに関心を払いたい。各分野の論述問題は指定用語を効果的に使用し、問われていることに確実に答えたい。

(2023年2月22日 市進学院)

令和5年度 千葉県公立高等学校入学者選抜 思考力を問う問題【講評】

国語
アート(美術)鑑賞についての二つの文章からの出題。
(1)は選択問題、(2)は抜き出しと短い記述で文章の内容整理をする問題、(3)は百五十字以上二百字以内で記述する問題で、この形式は、例年とほぼ変わらない。国語にかけられる時間は十五分から二十分と考えると、読解、記述ともにスピードが要求される。

今までやや古い文章が多かったが、今年は新しい文章二つの出題となった。ただし、それで簡単になったということではない。現代の文章は読みやすいが、それは同じことを言い方を変えて説明をくり返す親切さゆえである。しかし、いざ解答しようとなると、どの部分も解答に使えるように思えてしまう。短時間で重要な部分を見つけ、まとめることは容易ではなかったと思われる。

また、(3)の記述では、二つの文章の指定語を用いて共通点をまとめるものだが、これも指定語と共通点を矛盾なくまとめることも受験生は苦労したと思われる。
数学
問題構成は,昨年と同様,4題で6問。
(1)は2組の連立方程式の解が共通になる係数を求める問題。教科書の巻末にも載っているような典型問題で,ミスをしてはいけない問題だ。

(2)は度数分布表と矛盾する箱ひげ図を選択する問題。度数分布表から,最小値,最大値,四分位数の取り得る範囲を求め,それと与えられた箱ひげ図とを照らし合わせる作業が必要だ。

(3)は平面図形の問題。相似な図形を見つけて長さや面積を求める。補助線が上手く引けるか,相似を見つけた後,上手く立式できるかが問われる。

(4)は座標平面上の図形。①は,三角形の面積から直線の式を求める問題。②は直線で囲まれた四角形が平行四辺形になるときの直線の式を求める問題。いずれも,求める座標を文字で表し,式を作れるかどうかが鍵だ。

「思考力を問う問題」といっても,特別難解な問題というわけではない。実際「本検査」の大問3(3)の方が正答率は低いかもしれない。では,「思考力を問う問題」とはなにか。
与えられた条件から,いろいろ試行錯誤して整理し,見方を変え,解答への道筋を見出すことが思考力と言える。例えば,(2)の問題。度数分布表からは,具体的な数値がわからないので,最小値,最大値,四分位数が1つに決まらない。そこでいろいろな場合を考えて,四分位数などの取り得る範囲を求める必要がある。そのためには,表を読み取る力,四分位数を求める技術はもちろん,様々なケースを想像する力,情報を整理する力,実際にやってみて正しいかどうかを判断する力が必要だ。基本的な数学的性質を,うわべだけではなく,なぜそうなるのかを論理的に説明できるようになるまで深く理解する力が求められている。
英語
難易度は昨年並み。「思考力を問う問題」ということだが、ほぼ普通の英文読解問題で、設問の構成に昨年度から若干の変更があるが、形式は踏襲している。
大問3は、日本とニューヨークとロンドンの時差の話を中心に展開し、一見、複雑な内容にも見えるが、それぞれ何時間の差があるかを本文からしっかり把握できれば(本文に頼らなくても、これらの時差は知識として持っている生徒も少なくないだろう)、設問に解答するのは比較的簡単である。本文の「表」は読み飛ばしても解答には影響しない。

簡単な計算を要するのが⑵②と③。②では、Maxが「今年の6月」まで千葉にいたこと、この文章の「現在」が「11月」であるという情報を見逃さなければ、Maxが日本を離れて「数ヶ月」が経っていることがわかる。③では、ロンドンの時刻は千葉の9時間前、ニューヨークはロンドンの5時間前であることから、「夜遅く(late at night)」=「午後10時」にメッセージを送れば、ニューヨークへは同日の「朝」=「午前8時」に届くことが計算できる。「思考力」が問われているのはこの2題くらいである。

⑶の英作文は、空所の後が「?」になっていることから、疑問文を作ることになるが、Maxの返答内容から、「感謝祭」はどんなすごし方をするのかを問う疑問文であればよいことが容易に思いつく。

大問4も平易な英文読解問題で、「思考力」を問うというほどではない。⑴の脱文の挿入は「メープルシロップ」から「カエデの木」に話題が変わる点を見定めれば、容易に挿入箇所がわかる。⑵の1語補充は複数の形容詞が可能だが、「カナダ人にとってメープルシロップは、日本人にとっての醤油のようなものである」といった線に沿った文になれば良い。

《解説映像》

令和5年度 千葉県公立高校入試問題の中で、合否を分けると思われる問題をセレクトし、解説映像を掲載します。お手元に問題をご用意ください。
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