都立高校の入試システム
(1) 平成25年春 推薦入試制度が変わった
併設型中高一貫校やコース・専門学科・単位制普通科・総合学科などで定員枠の上限を
50→30%に縮小(普通科・商業科は20%と変更なし)
総合点に占める調査書の割合の上限を50%に設定(これまでは調査書の割合を60%以上とする高校が多かった)
原則として全校で、「集団討論」を導入し、各校の判断で実施されていた「小論文または作文」「実技検査」「その他の検査」も1つ以上が必須に(各高校のホームページで、10月に「集団討論」「個人面接」「小論文」「作文」など各検査の評価の観点、3月に「集団討論・個人面接の得点」「小論文点または作文点」
などの得点分布を公表)
(2) 平成26年春 学力検査問題のグループ作成がスタート
国語・算数・英語の学力検査問題を学校独自に作成してきた15校は、平成26年度入試からは3つのグループに分けて、それぞれのグループが共同で学力検査問題を作成する」ようになりました。
理科・社会は都立高校共通問題を使用します。
進学指導重点校 |
7校 |
日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立 |
進学重視型単位制高校 |
3校 |
新宿、墨田川、国分寺 |
併設型高校(中高一貫教育校) |
5校 |
白鷗、両国、富士、大泉、武蔵 |
進学指導重点校では、大問が1題差し替え可能になったほか、大問それぞれについて共通化された2~3題から各校が1題選択する形となりました。
進学重視型単位制高校は、グループで1種類の問題を作成し、1題または2題を学校独自に差し替えることが可能です。
併設型高校(中高一貫教育校)は5校で1種類の問題を作成しています。
(3) マークシート方式の導入
採点ミスを防止するため、27年春から試験的に20校で実施されましたが、28年春からは共通問題を使用するすべての学校で原則マークシート方式が導入されました。
グループ問題作成校では共通問題のみマークシート方式で行われます。
(4) 平成28年春 選抜方法が大幅に変更
入試の多様化が進み複雑になった制度を簡素化するという目的やすべての学校での学力を重視するという目的から、入試制度が見直されました。以下、全日制普通科の第一次募集・分割前期募集についてふれていきます。
①すべての学校(体育科と芸術科を除く)で
学力検査の教科を5教科に。27年春までは5教科の中から3教科以上という決まりだった。
②すべての学校(体育科と芸術科を除く)で
学力検査と内申の比率を7:3に。27年春までは7:3、6:4、5:5、4:6からの選択。
③
換算内申の算出では学力検査のない教科の評定を2倍に。27年春までは学力検査5教科実施の場合は、1.3倍、3教科実施の場合は、1.2倍。
(例) 5教科実施の場合の換算内申の満点
28年春から 主要5教科×5×1倍+実技4教科×5×2倍=25+40=65点
27年春まで 主要5教科×5×1倍+実施4教科×5×1.3倍=25+26=51点
*内申点として使われるのは、中3の2学期(12月末時点)のものだけ(二学期制の場合は、後期中間試験後に出る内申点を用いる)
④
特別選考が廃止に。特別選考とは募集人数の80%または90%を総合成績準に合格者を決め、残り20%または10%を各学校が公表した基準により合格者を決められる制度。
⑤
傾斜配点を実施できる学校の限定を強化。特色ある教育課程のある学校は、特定教科に傾斜配点(×1.2~2倍)を行うことができるが、新宿と国分寺がはずれる。