
2月19日の読売新聞に、市進学院からの講評が掲載されました。
市進教育本部による講評
- 令和7年度 千葉県公立高校入試 【国語講評】
- 内容・形式ともに平年通りだが、昨年より題材が取り組みやすく、平均点も上がりそうだ。読解問題には、挿入された別資料や生徒の話し合いを基に読解を進める「情報の扱い方に関する事項」の問題がある。この設問での穴埋め記述問題が毎年難問である。
また、例年、選択肢問題で悩ましい設問があるが、文脈には近似していても問いに対応していない誤り選択肢もあるので注意したい。 聞き取り問題は、中学生2人の会話場面で、相手に誤解なく伝わる工夫について問われた、聞き取りやすい内容。 言葉の問題では読み「謄本」が難しいが、例年に比べると平易。 論説文は、サイエンスとアートの共通点に「!」を感じる心を置いた文章。⑹のbが難問で、別資料をもとに要約文を完成させる50字記述。3つの条件語の使い方(主語の設定や組み合わせ)が決まれば書ける。 小説文は書道塾での先生と生徒達の様子を描いた場面。微妙な選択肢問題は本文に戻って決め手を確認したい。 古文は太刀を盗んだ侍を許した入道の話。生徒の話し合い場面を読み飛ばさず、ヒントにして的確な読解を進めることがポイントである。 200字作文は、イソップの腹をすかせたキツネの話から、キツネの言葉を自由に選び、それに合わせて自分の体験を織り交ぜて作文するというもの。自由でのびのびとした作文が期待できそうだ
- 令和7年度 千葉県公立高校入試 【数学講評】
- 問題構成は、昨年度と同様の大問4問構成。超難問は少なく、基本問題が増えたので、平均点は上がると予想される。
大問1は小問集合。(5)の確率は、空間図形と融合した問題で、例年に比べ難しかった。一方、(7)の作図は、垂直二等分線を引くだけのシンプルなもので例年より易しかった。
大問2は、座標平面上の図形。与えられた三角形の面積から平行四辺形の座標を割り出し、比例定数を求める問題。手数も多く、難しかった。
大問3は、平面図形。証明は、昨年同様すべて書かせる形式。(3)は相似と三平方を駆使する問題で、正答率はかなり低いと予想される。
大問4は、会話文を読ませて、方針を与えながら思考させる問題。今年はおうぎ形や円すいを転がすというテーマで、小問が6題。どの小問も、一度はやったことがある問題で、会話文にヒントもあるので非常に解きやすかったと思われる。
今年のように難問が少なく同じ難度の問題が多い場合は、ミスで差がついてしまう。できる問題を確実に得点することが重要だ。
- 令和7年度 千葉県公立高校入試 【英語講評】
- 問題構成・設問数は、昨年度とほぼ同じであった。難易度は全体的に、昨年並みと思われる。
リスニングは大問4題構成。大問1では、「英語の対話を聞いて、最後の文に対応する受け答えを選ぶ問題」。大問2~4は「英語の対話・文章を聞いて、それぞれの内容に対応する質問に答える問題」。大問2の選択肢は、イラストの細かな部分に注意する必要があるだろう。昨年度と同形式のため、過去問をしっかり解いた生徒には、解きやすかったであろう。 大問5は内容・形式ともにほぼ例年並み。(2)は「wear」の過去分詞形を、忘れてしまっている受験生はおそらく少なからずいたのではないか。(3)の仮定法は、完全英作文ではなく並べ替えのため、比較的正答率は高いと思われる。 大問6は、前年と同じ形式の、2コマずつ2つの異なる場面のイラストについて2カ所の空所を埋める英作文。日本語での吹き出し内容は想像できるが、10語程度かつ2文以内という条件指定の英作文は、昨年と同様とはいえ、なかなか難しい。 大問7のテーマは「自分たちが考えた理想のアプリ」。冷蔵庫の中身から夕食を決めてくれる、かつ写真やレシピもスマートフォンに送ってくれるというアプリ。スマートフォンを使用している受験生にとっては、身近なテーマである「アプリ」の話題のため、読みやすい内容であった。 大問8。昨年も出題されている英作文の語数についても「10~15語」から、「6~10語」に減少されている点を除けば、内容・形式面も昨年並み。英文は、例年より理解しにくい文章となっている。 大問9の構成も昨年度と変更はない。対話文の穴埋め選択問題。ここでは正答率が上がると思われる。
- 令和7年度 千葉県公立高校入試 【理科講評】
- 昨年に引き続き問題の構成は同様である。大問1が基礎的・基本的な知識を問う小問集合、大問2~9は物理、化学、地学、生物の各分野から2問ずつと、全学年の学習事項からバランスよく出題されていた。
今年度は、昨年の入試と比べ作図が増加し、文章記述の問題がなくなっており、計算を要する問題については1問増加した。難易度は、同等と思われ、昨年と同様に突出して難易度が高い問題はないので、各分野の基本的な事柄がまんべんなく身についていれば高得点を狙える出題といえるだろう。
やや難易度が高かったのは、大問3(4)のB点から光が目に届くときの水面の位置と光の道筋を作図する問い、大問4の(2)空気中の水蒸気量を図中に塗りつぶして示す問いと(4)加湿した分の水の質量を求める問い、大問8(3)(b)の葉裏の蒸散量が葉表の蒸散量の何倍か求める問い、大問9(4)小球の質量を実験結果のグラフから求める問いなどであった。
- 令和7年度 千葉県公立高校入試 【社会講評】
- 大問1は千葉県を話題とした3分野の総合問題。大問2は、国内の地形の説明ほか、統計や地形図の解釈、大問3では緯度と時差、日本の主要な貿易相手国、メモと雨温図から都市を選ぶ問題が出題された。⑸ではフィヨルドの形成について20字以内で答えることが求められた。大問3は7世紀の世界のできごと、日本と中国の関わりの並び替え、オランダの画家ゴッホと浮世絵との関係などが出題された。大問4では、植民地支配や帝国主義に関連する問題が問われ、⑷は産業革命について日本とイギリスとの共通点や相違点を考えさせる新しい傾向の問題であった。大問6では企業や日本銀行の知識、外国と日本の社会保障の比較が問われた。大問7では選挙制度、裁判所に関する知識が求められた。⑶では首長のリコールについての要件を“3分の1”という数値を含めて答える必要があるだろう。大問8は途上国における自立支援、世界のエネルギー事情についての理解が問われた。難易度は例年並みと考えられる。論述形式の問題は教科書の太字レベルを押さえておく必要がある。また生成AI、マイクロクレジットなど、現代的話題にも注意したい。
市進講師による詳しい問題解説(抜粋)
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