私立高校の入試日程は、都県ごとに各校が申し合わせを行ってその年の入試開始日を決定し、その範囲内で各校が試験日を決めることになっています。2015年春の首都圏私立高校の入試開始予定日は下表のとおりです。
▼首都圏私立高校 2015年春入試日程
東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 茨城県 | |
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推薦入試開始日 (千葉前期選抜) |
1/22(木)以降 | 1/22(木)以降 | 1/22(木)以降 | 1/17(土)以降 | 1/9(金)統一 |
一般入試開始日 (千葉後期選抜) |
2/10(火)以降 | 2/10(火)以降 | 2/5(木)以降 | 1/15(木)以降 |
東京・神奈川は、2014年との変更点はありません。例年、同一の開始日となっています。
埼玉では、2010年より公立高校の入試制度が大きく変更されたことに伴い、前期入試・後期入試の区分がなくなり、入試開始日が一本化されました。入試開始日は1/22で、前年と変更はありません。
千葉では、2007年入試から私立高校の入試区分が「前期選抜試験」「後期選抜試験」に変更されています。そして、生徒募集の比重を前期選抜にシフトする学校が毎年増えているという傾向にあります。2015年入試でも、敬愛大八日市場・昭和秀英・千葉経大附・千葉商大附・千葉日大一・東海大浦安の6校は、後期の定員を減らし前期の定員を増やすことが決定しています。
茨城は昨年同様、推薦が1/9、一般入試開始日が1/15になりました。茨城の推薦入試は近隣他都県と異なり、県内全校で統一日程となっています。また、千葉県生を対象とした併願可能推薦を別日程で実施する学校があります。
明大明治 青山学院 桐蔭学園 国立大付属各校 など
2015年の神奈川県公立高校の学力検査日は前年の2/14から2/16に変更されます。これに伴い、慶應義塾(神奈川・男子)の二次試験日は、重複を避けるため2/16から2/15へ変更され、一次試験日も2/13から2/12に前倒しとなります。
慶應義塾が12日に移動することにより、もともと12日に試験を行っていた競合校は応募者が減少しそうです。明大明治(東京・共学)や青山学院(東京・共学)では学力上位層が慶應義塾へ流れることが考えられ、応募者が減少し難易度が下がることが予想されます。12日に入試を行う城北2回目や国学院久我山なども応募者減につながる可能性があります。
また、慶應義塾と試験日が重ならないように、青陵(東京・共学)や山手学院(神奈川・共学)のB入試は12日→13日へ変更しています。桐蔭学園(神奈川・共学)のB方式(併願可能)は、学科試験を行わない書類選考を導入します。これらの変更は、いずれも慶應義塾と併願しやすいように変更したものと考えられます。
国立大付属の入試日は2015年も2/13と変更がなく、12日へ変更した慶應義塾との併願が可能になるため、国立大の付属校は応募者が増加し、難易度が上昇すると推測されます。
市川(千葉・共学)は、(2014年現在)中1が高校受験を迎える2017年入試より、入試科目を3教科→5教科へ変更します。5教科で行うのは前期一般入試のみであり、前期単願推薦・帰国生入試・後期入試は今まで通り3教科で実施します。理科・社会の実施時間・問題のレベル等は今後検討するということです。
2017年は東邦大東邦(千葉・共学)の高校募集停止が決定しています。また、渋谷幕張(千葉・共学)の前期入試は従来より5教科で行っています。市川高校の5教科入試導入は、これら競合校の状況を見てのことと推測されます。
2015年は、神奈川県公立高校の入試が2/16 に行われます。これに配慮し、慶應義塾(神奈川・男子)は、一次試験を2/13→2/12へ、二次試験を2/16→2/15へ日程を変更します。また、同じく2/16 に二次試験(面接)を行う東京学芸大附(東京・共学)は、2/16 に公立高校を受験する場合に限り、面接を同日の夕方に実施するとしています。
早稲田大学高等学院(東京・男子)の推薦入試は、従来は1/22 か1/23 のうちいずれか1日が指定され、集合時間も受験番号ごとに指定されていました。2015 年入試では、推薦入試日が1/22 のみとなることが決定しています。
法政大学(東京・共学)は2015 年入試より、推薦入試・一般入試とも男女別の選抜方法に変更します。従来は、男女混ぜて得点の高い順に合否を決定していました。女子は内申が男子より比較的高く、また、一般入試においても内申点による加点措置があるため、推薦・一般とも女子の合格者が多くなるという入試でした。男子と女子を別々に選抜することで、入学者の男女比を1:1に近づけるというねらいがあります。合否ラインは男子より女子の方が上がることが予測されます。一般入試においても、合格最低点は男子より女子が高くなるでしょう。なお、推薦入試の基準は、「男女とも9 科38 以上」と変更はありません。
国学院久我山(東京・別学)は、出願時の条件に変更があります。2015 年入試より推薦入試・一般入試とも出願時に男子は文科系・理科系の選択をすることができますが、女子は理科系のみになります。将来的に理科系の大学を志望する女子が多いという現状があり、その対応として、別学の利点を生かしつつ理科系に集中できる環境を整えようというねらいがあります。
2015 年入試の科・コースの変更に関して、大きな特徴が見られます。将来のグローバルリーダーを育成するために、文部科学省は「SGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)」を全国の高校から指定し、支援していくことになりました。このような流れの中で、グローバル社会で活躍できる人材の育成を念頭に置いたコース再編が増えています。
英語教育への実績が認められ、今回のSGHに指定された佼成学園女子(東京・女子)は、2015 年入試より特進文理コース内にスーパーグローバルクラスを新設します。文京学院大女子(東京・女子)は、将来のキャリアを意識したコース別のクラス編成となり、従来の理数・英語・特進・文理コースが、理数キャリア・国際教養・スポーツ科学へ再編されます。国際教養には、さまざまな研修プログラムに加え、「国際塾」という年間を通して英語を集中的に学ぶことのできる、ゼミ方式の課外授業があります。
科・コースの変更に関しては、近年の傾向として、上位コースの上にさらに最上位のコースを新設する形や、コース名称変更やコースの分割統合という再編が目立っています。
2014年は、千葉商大附(千葉・共学)が従来からある進学クラスを、選抜進学クラスと進学クラスに分割しました。千葉明徳(千葉・共学)は2014年入試より、従来の特進コース・総進コースSクラス・総進コースRクラス・スポーツ科学コースを、特進コース・進学コースハイレベル進学クラス・進学コース進学クラス・アスリート進学コースへ再編しました。
2015年は、例年以上に科・コース改編を行う学校が多くなっています。東京家政学院(東京・女子)は特別進学コースを再開し、細田学園(埼玉・共学)は特別進学Hコースを新設します。一方、日本橋女学館(東京・女子)では進学コース(スポーツクラス)が廃止となり、狭山ヶ丘(埼玉・共学)はⅣ類の募集を廃止する予定です。また、校名を変更する小松原(埼玉・男子)と小松原女子(埼玉・女子)は、従来のコースを細分化した形でのコース再編を行う予定です。
東京・神奈川は、推薦入試が1/22~、一般入試が2/10~開始されます。埼玉では、2010年より、公立高校の入試制度が大きく変更されたことに伴い、入試開始日は1/22~になっています。そして千葉は、1/17~前期選抜、2/5~後期選抜が実施されます。
プロテスタント系の学校は通常日曜日に試験を行わないため、例年の日程では日曜日が入試日になる場合、移動することがあります。たとえば2013年の一般入試では初日の2/10が日曜日だったため、従来10日に試験を実施していた国際基督教大(東京・共学)と明治学院(東京・共学)は、11日へ変更しました。2014年入試では2/10が月曜日となったため、これら2校の学校は、2/10に入試日を戻しています。このように、曜日の関係で入試日程を変更することはあります。
2015年入試では、入試日程を追加する学校がいくつかあります。江戸川取手(茨城・共学)は、従来1/20に行っていた一般入試を、2015年は1回1/15、2回1/21と2回実施することになりました。同時に2回出願することも可能で受験料が割引となります。十文字(東京・女子)も2015年は一般入試を1回実施→2回実施と増設しています。上位クラスや特待生資格を得るために再受験することができます。これらの学校を志望する受験生にとっては受験機会が増えることになります。
2013年 | 植草学園大附(特進・英語のみ) |
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2014年 | 岩倉・中大附属横浜・安田学園 |
2015年 | 京北(→東洋大京北)・小松原(→叡明)・戸板女子(→三田国際学園) |
2016年 | 法政二 |
2017年 | 新渡戸文化 |
2013年 | 横浜山手女子→(2010年~)中央大学横浜山手→中大附属横浜 |
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2014年 | 麻布大渕野辺→麻布大学附属 |
2015年 | 京北→東洋大京北 小松原→叡明 小松原女子→浦和麗明 戸板女子→三田国際学園 |
学校名 | 分類 | 2013年 (前年度) |
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2014年春 |
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慶應女子 | 定員 | 推薦:約10 一般:約90 帰国:若干 |
推薦:約20 一般:約80 帰国:若干 |
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慶應女子 | 入試制度変更 | 推薦入試の出願資格を一部変更。従来の各中学校1名(慶應女子が指定の中学校は2名)までの出願人数の制限をなくす。また、これまで出願資格としていた学習活動・クラブ活動・生徒会活動に関する条件を大幅に緩和。 |
学校名 | 分類 | 2013年(前年度) | ![]() |
2014年春 |
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法政大学 | 定員 | 推薦:30 一般:62 |
推薦:40 一般:52 |
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法政大学 | 入試制度変更 | 推薦入試不合格者の一般入試再受験に10点加点 | 推薦入試不合格者の一般入試再受験に20点加点 | |
早大本庄 | 定員 | α選抜:約70(男約55 女約15) I選抜(帰国生自己推薦):約20(男約15 女約5) 一般:約180(男約115 女約65) 帰国:約20(男約15 女約5) |
α選抜:約75(男約55 女約20) I選抜(帰国生自己推薦):約20(男約15 女約5) 一般:約175(男約115 女約60) 帰国:約20(男約15 女約5) |
学校名 | 分類 | 2013年(前年度) | ![]() |
2014年春 |
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青山学院 | 定員 | 推薦:約65 一般:約70 帰国:約25 |
推薦:約70 一般:約85 帰国:約25 |
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日大三 | 定員 | 推薦:50 一般:100 |
推薦:60 一般:70 |
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千葉明徳 | 定員 | 前期:320 (総進S110 総進R110 スポ65 特進35) 後期:30 (総進S10 総進R10 スポ5 特進5) |
前期:280 (特進35 進学180 アスリート65) 後期:30 (特進5 進学20 アスリート5) |
学校名 | 分類 | 2013年(前年度) | ![]() |
2014年春 |
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専大松戸 | 定員 | 前期:226(E62 A130 S34) 後期:30(E10 A20) |
前期:236(E62 A140 S34) 後期:20(E10 A10) |
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千葉英和 | 試験日 | 前期:1回1/17 2回1/18 後期:2/6 |
前期:1回1/17(一志・併願)2回1/18(併願) ※後期選抜廃止 |
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八千代松陰 | 試験日 | 前期:1回1/18 2回1/20 後期:2/6 |
前期:1回1/18 2回1/20 ※後期選抜は廃止 |
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成田 | 試験日 | 前期(単願推薦):1/17 後期(一般):2/5 |
前期(単願推薦・一般):1/17 後期(一般):2/5 ※前期選抜で一般入試導入 ※後期選抜の定員縮小 |
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成田 | 定員 | 前期:90 推薦A特進選抜指定制10 推薦B特進選抜40 推薦C特技指定制40 後期:110(内進生含まず) |
前期:180 ①特進選抜生40(単願推薦) ②特別技能生40(単願推薦) ③一般100 後期:一般20 |
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成田 | 試験科目 | 前期:国数英理社 後期:国数英理社 |
前期:国数英 後期:国数英 |
学校名 | 分類 | 2013年(前年度) | ![]() |
2014年春 |
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中大横浜 | 共学化 | - | 2014年入試より共学化の予定 | |
岩倉 | その他 | - | 2014年入試より機械科・商業科は募集停止 | |
岩倉 | 共学化 | - | 2014年入試より共学化の予定 | |
京北 | 共学化 | - | 2015年入試より共学化の予定 | |
京北 | 校地変更 | - | 2015年より新校舎へ本移転 | |
京北 | その他 | - | 2015年より制服リニューアル | |
小松原 | 定員 | 520 (特別進学40 進学選抜120 総合進学240 工業系120) |
380 (特別進学40 進学選抜120 総合進学160 情報技術60) |
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小松原 | その他 | - | 2014年入試より工業系は情報技術科のみ募集 機械科・自動車科は募集停止 | |
小松原 | 共学化 | - | 2015年入試より共学化の予定 | |
小松原 | 校地変更 | - | 2015年より越谷レイクタウンへ移転の予定 | |
小松原 | 校名変更 | - | 2015年より校名変更の予定 | |
法政二 | 共学化 | - | 2016年入試より共学化の予定 |
学校名 | 分類 | 2013年(前年度) | ![]() |
2014年春 |
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柏日体 | 科・コース改編 | 特進コース スポーツコース |
アドバンストコース アスリートコース |
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千葉商大付 | 科・コース改編 | 進学クラス | 選抜進学クラスと進学クラスに分割 | |
千葉明徳 | 科・コース改編 | 特別進学コース 総合進学Sコース 総合進学Rコース スポーツ科学コース |
特別進学コース 進学コースハイレベル進学クラス 進学コース進学クラス アスリート進学コース |
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星野 | 科・コース改編 | - | 共学部に「総合教養コース」新設 | |
星野 | その他 | - | 商業科募集停止 |