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そうだったのか中学入試
「そうだったのか!中学入試-市進の中学受験情報ナビ-」は、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)の国立・私立入試と公立中高一貫校受験の入試情勢・偏差値などを塾ならではの視点で総合的にお伝えします。
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コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」第31~40話 > 第40話 「2013年中学入試予想第4弾 ―11月公開模試から入試動向を読む―」

第40話 「2013年中学入試予想第4弾 ――11月公開模試から入試動向を読む――」

 

2013年1月5日

今回は10月までの状況をふまえたうえでの、11月大手公開模試の志望状況からの最後の入試予想です。例年公開模試の総受験者数のピークは11月で10月より3,000名前後増えていましたが、今年の11月模試の総受験者数は10月より540名ほどしか増えておらず、前年比では10月が1%減とほぼ前年並みでしたが11月は6%近い減です。受験する学校を厳選する傾向があることは昨年あたりから言われていますが、公開模試も選択的受験が増えているのでしょうか。したがって11月の公開模試では多くの学校で志望者が減少していますが、模試自体の受験者の減少に起因する要素が相当にあることを考慮していく必要があります。本稿で用いている志望者の増減を表す数値はすべて2011年と2012年の同月模試の志望者数前年比(%)です。なお今回は学校別過去問題集の製作・販売で定評のあるK社の11月末出庫状況もひとつの参考データとして適宜参照していきます。

1. 男子校の志望動向

(1)男子上位校

開成(荒川区)は9月が3%増、10月は1%増で11月は±0%です。前年並みの入試になることは間違いないでしょう。

麻布(港区)は10月の4%減から11月は11%減と大きく減っていますが、K社の出庫数は前年比2%減ですから、実際の入試でこんなに応募者が減ることはないでしょう。減っても最大でも5%未満の減少ではないでしょうか。

駒場東邦
駒場東邦
駒場東邦(世田谷区)は7月以来、6%増→1%増→8%増ときて11月は増減なしです。このように隔月で志望者数が上下するのは前月の模試の志望者数に受験生・保護者が左右されるからです。最終的には微増程度と思われますが上位層が厚くなっており難易度アップの可能性大です。

上記3校に武蔵(練馬区)を加えた4校の志望者合計の前年比が前月の1%減から5%減となっていて、最上位層でも絞り込みが進行しているようです。

これに次ぐ2番手レベルの海城(新宿区)、桐朋(国立市)、巣鴨(豊島区)などもここへ来て志望者数の減少がみられ男子受験生にも安全志向が出てきているようです。上から下への玉突き的な受験生の動きが本番入試まで続けば、受験者が減って倍率が下がっても難易度は下がらなかったり、2番手以下の学校ではむしろ難化する可能性もあり要注意です。

神奈川ではトップ校の栄光学園(鎌倉市)が前月の2%減から14%減と志望者を減らしていますが、K社の出庫数は前年比3%減であることや、説明会参加人数の状況から見て実際の受験者は微減と思われます。

聖光学院(横浜市中区)は1回が10月の19%増から大きく減って8%増です。K社の出庫数は5%減であることと併せて考えれば、実際には応募者が大きく増えることはなく微増にとどまるのではないかと思われます。

浅野(横浜市神奈川区)は10月の4%増から11月は11%減と大幅に減少していますがK社の出庫数は5%減ですから、実際の入試の応募者は微減程度ではないでしょうか。

サレジオ学院(横浜市都筑区)のAは9月の9%減から10月には大きく増え7%増と増加に転じ、さらに11月には9%増と志望者を増やしています。2月1日のAの定員増で第一志望層を拡大していく狙いがようやく実現しそうです。しかし東京・神奈川のトップ校との併願者が多いBは6%減となっています。

(2)男子中堅校

攻玉社(目黒区)は10月に増加傾向になりましたが11月は減り気味です。9月からの志望者数の推移は1回が13%減→1%増→4%減、2回は9%減→5%減→7%減です。

芝浦工大(板橋区)は10月までの勢いが11月も続いていて1回が16%増、10月ではマイナスだった2回も12%増、3回は4%増です。

世田谷学園(世田谷区)の1回は10月の16%増から21%増へ志望者が増えるだけでなく、上位層が激増しています。第一志望者中心の1回が難化すれば2回は5%減ですが合格者が絞られて厳しい入試になる可能性大です。

高輪(品川区)はAが4%減ですが、Bは17%増、算数午後は19%増と上位の併願者が増えているようです。

東京都市大付(世田谷区)は1回が6%増ですが、2回は11%減、3回は22%減と減少に転じています。しかしK社の過去問出庫数は6%増ですから実際にはこんなに減ることはないでしょう。

神奈川の中堅上位の男子校では鎌倉学園(鎌倉市)が1回28%減、2回30%減、3回25%減、逗子開成(逗子市)は1回22%減、2回6%減、3回16%減と湘南地区の2校がともにかなりの減少となっています。

2. 女子校の志望動向

(1)女子上位校

都内の女子最上位校の志望動向は10月までとほとんど変わっていません。桜蔭(文京区)はずっと8%減で変わらずで、女子学院(千代田区)が7%減→8%減、雙葉(千代田区)が12%減→13%減とわずかに減っているだけです。

豊島岡女子
豊島岡女子
しかし10月まで増加基調だった豊島岡女子(豊島区)は1回が13%増→9%増、2回が4%増→2%減、3回は増減なし→12%減と相当に減っています。入試レベルではほとんど御三家と同格で、とても確実な「滑り止め」にはなりませんからこの動きは当然といってよいでしょう。注目されるのは2日の1回で第一志望者が増加していることです。相変わらず桜蔭や女子学院との併願者は多いのですが、1日に吉祥女子や共立女子などを受験し、2日の豊島岡女子を第一志望とする受験生が増えているようで9%増の中身はこの層が主力でしょう。

上記4校に次ぐ学校では吉祥女子(武蔵野市)が3回の入試すべてで3~8%増、今春1回入試を2月1日に参入し、2013年は1回の定員を30→50名と増員するカトリック・ミッション校の晃華学園(調布市)は60→40名と減員する2回も含めてやはり3回の入試すべてで6~38%増加しています。

これに対し吉祥女子と競合関係にある鴎友学園女子(世田谷区)は3回の入試すべてで28~12%の相当な減少です。またカトリック・ミッション校の光塩女子学院(杉並区)が1回38%減、2回39%減と大幅に志望者数を減らしているのが注目されます。頌栄女子学院(港区の1回)は9月の15%増、10月の11%増から11月はなんと1%減と前年並みになってしまいました。2回も6%増→3%減と大きく減っています。

神奈川の横浜山手の丘のトップ3校では相変わらずフェリス女学院(横浜市中区)が8%増で復調しているのが目立ちます。これに対し横浜雙葉(横浜市中区)は10月の12%増から11月は増減なし、横浜共立(横浜市中区)のAも10月は7%増でしたが11月は7%減と両校ともこの1か月で大幅に模試での志望者を減らしています。各月の志望者数の増減の推移やK社の出庫状況から見て実際の入試の応募者数は両校とも微減程度ではないかと思われます。

上記の3校に次ぐ鎌倉女学院(鎌倉市)は1回が20%減、入試日が3日になる2回は39%の大幅減で7月以来の減少傾向が続いています。第38話でお伝えしたように学校説明会の参加者数はさほど減っていないとのことですが、K社の出庫数でも13%減ですから10%前後の減少が見込まれます。同様に洗足学園(川崎市高津区)も3回の入試が14%~21%の減少ですが、K社の出庫数5%減などから見て実際の入試の応募者数はここまで減ることはないと思われます。

(2)女子中堅校

江戸川女子(江戸川区)は公立中高一貫校との併願者の多い2月1日午後のAO入試は2%増ですが、千葉の受験生が減っているためか2日の2回が22%の大幅減です。

大妻中野(中野区)は午後入試のアドバンストが人気でしたが4回の入試とも20%前後減っています。共学系の青稜、東京都市大等々力、桜美林などとの競合にくわえ、地理的にはやや離れていますが午後入試を新設する同系列の大妻多摩とも競合しているようです。なお入試には関係ありませんが大妻中野と大妻嵐山を経営している学校法人誠美学園は学校法人大妻学院とは別法人でしたが、10月31日付で文科省の認可を受け、2013年4月1日付で法人合併します。

実践女子学園(渋谷区)は併願者の多い2日の2回が10%増です。増えているのは主に中位以下の層ですから難易度が大きく変動することはなさそうです。

前回でもお伝えしましたが、都心の中堅校では次の2校が目につきます。

三輪田学園(千代田区)は1回が11%増、2回は8%増、3回は5%増と3回とも志望者を増やしています。地味な校風ながら着実な学校改革が受験生・保護者に支持されているのでしょう。

「山脇ルネサンス」と称する学校改革が進路実績にも結果をだし始めてきた山脇学園(港区)は、先月よりはやや減ってはいますがAが21%増、Bは26%増、Cは20%増と志望者数も増え、さらに3回とも上位層が大幅に増えていて難易度もアップする可能性が高いでしょう。

八雲学園(目黒区)は40→30名と定員減の1回がちょうど減員に比例して25%減ですが、30→35名と定員増の3回は55%の大幅増です。

次に神奈川の中堅女子校の志望状況を見てみます。

日本女子大付
日本女子大付
名門女子大付属ながら長く応募者の減少傾向が続いていた日本女子大付(川崎市多摩区)は積極的な広報活動で教育内容の良さが伝わってきたのか、1回が2%増、2回は1%増とわずかながらも増加に転じています。

清泉女学院(鎌倉市)は今春入試で1回が2.0→2.3倍と倍率アップして敬遠されたのか、あるいは関東学院などの共学校との競合のためか、1回が23%減、2回は37%減と大きく志望者数を減らしています。この状況が続けば難易度も低下する可能性大です。

10月に78%増だった捜真女学校(横浜市神奈川区)のS入試が14%増まで減ってきました。第一志望中心のS入試で78%増というのは異様な増加なので14%増は妥当なところでしょう。

この夏に新校舎が完成した蒔田(まいた)の丘のミッション校、横浜英和女学院(横浜市南区)2月3日のCを午後入試に変えて71%増です。しかし他の回は10%以上減っていますから全体としては前年並みでしょうか。

横浜女学院(横浜市中区)は2月1日午前のAの定員を30→40名に増員で16%増、午後のBは55→45名と減員ですがこちらも3%増と先月よりは減っているとはいえ、強力な競合校が多い横浜の中心部で好調を維持しています。

3.共学校の志望動向

ここでは共学校の中でも進学校系の上位校の志望動向を見てみます。

渋谷教育学園渋谷
渋谷教育学園渋谷
都内の共学系進学校のトップは渋谷教育学園渋谷(渋谷区)ですが、10月から11月にかけて1回の志望者が安全志向からの絞り込みといったレベルを超えて大きく減っています。男子が7%減→13%減で、女子はさらに大きく6%増→7%減と減っています。ただしK社の11月末の出庫数は1%減と前年並みですから実際の入試でこんなに大幅に応募者が減ることはないと思われます。

千葉ではトップの渋谷教育学園幕張(千葉市美浜区)が今春入試で1回・2回ともに応募者を11%減らしましたが、模試の志望者数は1回が1%増、2回は5%増で前年を上回ってはいます。しかし前年の大きなマイナスを回復するにはいたっていません。

市川(市川市)の1回は10月の2%減から4%減とやや減っていていますが、すでに出願が始まった1回は前年同日比で応募者2%増です。 3200→2966→2565名とこの3年間続いている応募者の減少からようやく回復の兆しが見えてきました。

東大10名など大学合格実績を大きく伸ばした東邦大東邦(習志野市)の前期は10月よりわずかに減っていますが2%増と好調を維持しています。

昭和秀英(千葉市美浜区)の1回(第一志望入試)は12月1日に行われ、応募者は12%減の530名でした。2回、3回の11月模試の志望者数はともに14%減です。

開智(さいたま市岩槻区)は先端クラスが人気ですが、先端Aが10月の10%増から11月は6%増に減り、一貫クラス1回は栄東の東大Ⅰと入試日が競合するためか3%減から11月は21%減まで大きく減っています。

栄東(さいたま市見沼区)は定員増した東大Ⅰが先月の41%増からやや減って38%増、定員減のAは8%増です。2012年入試ではのべ8,000名を超える応募者を集め、2013年入試では10,000名を超えそうな勢いでしたがここへ来て少し落ち着いてきました。

4.主要大学付属校の志望動向

主要大学の付属校の志望動向は基本的に10月までと変わりありません。一部の例外を除いてほとんどの学校で志望者が減っています。また男子によりその傾向が強いのも変わっていません。

まず早慶大系列校の志望状況から見てみます。Mは男子、Fは女子です。

    ’12 ’11 対前年比
・慶應普通部 M 629 693 91%
・慶應中等部 M 838 970 86%
F 468 462 101%
・慶應湘南 M 424 462 92%
F 412 412 100%


・早大学院 M 393 593 66%
・早稲田実業 M 515 507 102%
F 306 261 117%
・早稲田① M 962 1046 92%
・早稲田② M 977 1018 96%


志望者がふえているのは早稲田実業(国分寺市)だけで早大学院(練馬区)の大幅な減少は回復の兆しが見えてきません。総計では慶応系・早稲田系ともに8%の減少です。

次にGMARCH大系列校の志望状況を見てみましょう。

    ’12 ’11 対前年比
・明大明治① MF 979 1200 82%
・明大明治② MF 630 713 88%
・明大中野① M 1118 1148 97%
・明大中野② M 1238 1233 100%
・明中八王子① M 217 280 76%
F 197 170 97%
・明中八王子② M 281 340 83%
F 238 240 99%
・青山学院 M 444 645 69%
F 628 847 74%
・立教池袋① M 353 385 92%
・立教池袋② M 412 508 81%
・立教新座① M 1676 2169 77%
・立教新座② M 249 386 65%
・立教女学院 F 408 506 81%
・中央大附① MF 648 825 79%
・中央大附② MF 893 1054 85%
・中大横浜① MF 804 799 101%
・中大横浜② MF 1517 1778 85%
・中大横浜③ MF 894 774 116%


    ’12 ’11 対前年比
・法政大学① MF 335 409 82%
・法政大学② MF 443 517 86%
・法政大学③ MF 655 729 90%
・法政第二① M 672 739 91%
・法政第二② M 1112 1311 85%
・学習院① M 413 390 106%
・学習院② M 310 333 93%
・学習院女子A F 349 387 73%
・学習院女子B F 364 412 88%

10月の志望状況と比べて目につくのは青山学院(渋谷区)の志望者減で、男子は29%減→31%減と小幅な減少ですが、女子は19%減→26%減と相当な減少です。実際の入試では応募者がここまで減ることはないかもしれませんが、このままいけば難易度が緩和する可能性が高いでしょう。なおK社の出庫数は15%減です。

また中大横浜(2013年4月から横浜市都筑区)の勢いにもややブレーキがかかってきたのか、1回は21%増→1%増と大幅に減っています。入試の不祥事の報道の影響があったとしてもこれはあまりに減りすぎなので、実際の入試での応募者はやはり10%以上は増えるのではないでしょうか。

なおGMARCH系列校系の総数では12%の減少で、男子の方が女子より減少傾向が大きいのがはっきり見てとれます。

4.主要大学付属校の志望動向

広尾学園(港区)は志望者数の増加は落ち着いてきていますが、それでも1回が2%増、2回は14%増、3回は7%増、医進サイエンスは8%増とすべての回で増えています。そしてなんといっても受験者層が上位にシフトしているのが注目されます。特に男子は上位生が急増しており、併願校は最難関レベルは少ないようですが渋谷教育学園渋谷、芝、本郷、高輪、東京都市大付、栄東、市川などが多いようです。  

東京都市大等々力(世田谷区)は急激な人気上昇で志望者数を倍々ゲームのように増やしてきましたが、大学合格実績が好調だった青稜や中大横浜の都筑区新校舎移転の影響を強く受けているのか志望者数の伸びは大きく減速しています。上位校との併願者が多い午後入試の特選1回が10%減、2回は23%減です。ただし午前入試の特進2回は第一志望者層を集めているのか38%増です。

青稜(品川区)は上記のように大学合格実績が大きく伸びてここ1~2年停滞気味だった応募者数が回復しそうな模試の志望状況です。特に午後入試の1回Bは6%増ですが、2回Bは29%増でかつての勢いが戻ってきているようです。

国学院久我山
国学院久我山
別学の国学院久我山(杉並区)はこの3年間で国公立大が76→73→93名、早慶上智大が180→134→202名と今春大きく大学合格実績を伸ばしています。11月の模試では男子の志望者が相当に増えており、1回が9%増、1回STが23%増、2回は7%減ですが、2回STは8%増です。しかし女子は吉祥女子や大妻多摩などとの競合のためか、1回が12%減、1回STは4%減、2回は21%減、2回STは11%減とすべての回で志望者が減っていて、男女で志望動向に大きな差が出ています。

穎明館(八王子市)は新制服の導入でとりわけ女子に人気が高くなっていて、2回は志望者が男女合わせて19%増ですが女子だけではなんと46%増、3回も男女合わせて5%増ですが男子は3%減、女子は19%増です。さらに2回は志望者が増えているだけでなく女子の上位層が激増していますからボーダーラインの上昇の可能性大です。

東京農大第一(世田谷区)は同じ世田谷区内で応募者数が急増している東京都市大系の2校に比べると目立ちませんが、1回は7%減ながら2回が5%増、3回は6%増と堅調を維持しています。とりわけ2回、3回の男子は上位層が厚くなっていて、難易度アップの可能性もあります。

次に神奈川の状況を見てみます。

前回も触れた湘南学園(藤沢市)の人気は相変わらずで、1日午後のAは志望者52%増もさることながら上位層が急増していて、おそらく合格者の学力層がワンランク上の層と入れ替わりそうな勢いです。

神奈川大附
神奈川大附
今春、東大3名、一橋大2名、東工大3名など大学合格実績を大きく伸ばした神奈川大附(横浜市緑区)は地下鉄グリーンラインのセンター北に移転して近くなる中大横浜の影響がありそうですが、実際にはAが1%減で前年並み、Bは2%増で影響を受けているようには見えません。実際には中下位層はたしかに中大横浜に回っているようですが、むしろ女子を中心に上位層が厚くなっています。この春の入試状況から見て競合する可能性が高いのは中大横浜よりむしろ横浜市立南になりそうです。

進学校への転換しつつある関東学院(横浜市南区)はA(2月1日午前)の定員を50→60名と増員し1日校として定着を図っていますが、狙い通りAは8%増、3日午前のCは15%増と第一志望者中心の入試への移行が進んでいるようです。ただし1日午後のBは4%減であるだけでなく上位層が薄くなって志望者の学力レベルが下がっているのは気になります。

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