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第45話「2013年 首都圏公立中高一貫校の入試状況(1)」
2013年7月8日
近年中学入試で公立中高一貫校が注目を集め、週刊誌や経済情報誌などでよく取り上げられるようになってきています。首都圏でも2003年に埼玉県で伊奈学園中が開校、さらに東京で2005年開校の都立白鴎高附属中を皮切りに小石川中等教育学校、桜修館中等教育学校、両国高校附属中などが続々と開校し、現在は1都3県で東京11校、神奈川3校、千葉2校、埼玉2校で計18校となりました。(連携型を除く)しかし大きな注目を浴びるようになったのは2011年3月に卒業した都立白鴎高校附属中学の1期生が、東大5名など難関大実績をあげて以来と言ってよいでしょう。
今回は東京の2013年度の公立中高一貫校入学者決定(以下入試とする)状況についてお伝えします。全体状況とともに、いくつかの学校については個別の入試状況も見ていきます。なお中高一貫校は①中等教育学校、②併設型、③連携型の3種類がありますが、ここでは①と②のみを扱います。また①タイプの都立桜修館中等教育学校は単に桜修館、②タイプの都立両国高校附属中学は両国高附と略称します。
2013年東京の公立中高一貫校の入試状況
東京には都立が10校と千代田区立1校の計11校の公立中高一貫校があります。11校の応募者数を以下にまとめておきます。数字は2012年志願者数→2013年志願者数および増減率(%)で、Mが男子、Fは女子です。また小石川と白鴎高附の特別枠と立川国際の在京外国人・帰国生枠は省略しました。
(1)全体的状況
2011年から2013年までの3年間の都立10校の応募総数は(小石川と白鴎の特別枠と立川国際の帰国・外国人枠を除いて)、10,365名→9,847名→10,583名と前年はやや減りましたが、今年は7%の増加です。
また今年の入試で注目されるのは私立中併願受検者の増加です。これは合格発表後の入学手続き状況から判明する辞退者数の増加から見てとることができます。入学手続き締切り時点での都立10校の辞退者総数は2012年が92名 (男子36名、女子56名) に対し2013年は121名(男子66名、女子55名)で32%増です。女子の辞退者は前年より1名減ですから、増えているのは男子です。
最も辞退者が多かったのは小石川で、男子が7→20名、女子は9→11名で合計16→31名と今年は男子の辞退者が大きく増えています。なお入学手続き締切り以降にも私立中の繰り上げによって辞退者が発生することがあり、さらに繰り上げ合格の通知をしてもすでに私立中に合格していて入学辞退する方もいるため、上記の数字は辞退者の最小値ということになります。
さてそれでは私立中との併願者の増加の原因・背景について考えてみましょう。公立中高一貫校の受検者を私立受験との関係でみると次の3パターンがあります。
(ア) 公立一貫校のみ受検
(イ) 公立一貫校を第一志望として私立中を併願受験
(ウ) 私立中を第一志望として公立一貫校を併願受検
(ア)~(ウ)の割合は当然ながら地域や学校によって異なります。伝統的に公立志向が強い多摩地区や下町方面は(ア)の割合が高いことが知られています。しかし近年では公立一貫校受検者の取り込みを狙いとして適性検査型入試や特待制度を導入する私立中が増えてきたこともあり(イ)も増えてきているようです。公立一貫校志望者の通塾率が高くなるとともに、せっかく塾に通って勉強したのだから、公立1校だけではなく私立中も受験しようというケースも増えているようです。また難易度の高い小石川や武蔵高附、あるいは私立中受験率が高い都心部の九段や城南地区の桜修館などでは(ウ)のパターンが相当な割合になっているようです。今年の私立中併願者の増加は、(イ)も増加していると思われますが、(イ)の場合は辞退者が増えることはありませんから、難関私立中のみを受験していた上位層が、白鴎高附、小石川、桜修館の大学合格実績を見て公立一貫校も視野に入れた受験校選びをするようになって(ウ)のパターンが増えているのが主な要因と思われます。
(2)学校別の入試状況
次に都立10校と区立九段の応募状況を学校別に見てみます。
応募者が5%以上増えたのは以下の5校です。

桜修館 この中ではなんといっても桜修館(目黒区)の40%増が目につきます。これは2012年3月に卒業した1期生150名が東大4名、一橋大2名、東工大4名、早大51名、慶応大16名、上智大15名など素晴らしい合格実績をあげて俄然注目を集めましたから当然と言えそうです。城南地区はもともと私立中受験率が高い地域ですから、城南地区唯一の桜修館は私立中との併願者も多い学校です。入学手続き締切り時の辞退者は前年より6名増の17名ですが、繰り上げ人数は非公表ですが、順位21位まで繰り上がったことが確認されています。(22位以下は不明)
大泉高附(練馬区)はこの春に完成した新校舎人気で応募者が18%も増加しました。特に女子が大きく増えていますが、ここ数年女子が高倍率だった立川国際から回ってきた受検生もいたようです。また小石川など都心方面からの地元回帰もあったようです。
白鴎高附(台東区)は応募者が8%増えていますが、それだけはなく 1期生の大学合格実績を見て受検した前年の受検生から上位層が厚くなってきています。ボーダーのレベルが上がっていますが、今まで少なかった私立中との併願者が増えています。入学手続き締切り時の辞退者は前年より4名増の10名ですが、繰り上げは順位27位まで確認されています。(28位以下は不明)

三鷹 三鷹(三鷹市)は開校4年目の学校で2012年秋に新校舎が完成しました。サッカー強豪校としても知られ、それに憧れてくる男子受検生も多いようです。年々人気が上がっていて地元三鷹市の他、調布市、府中市など京王線沿線を中心に、杉並区、世田谷区、また最近では多摩市、稲城市方面からの受検生も増えています。また私学併願者が増えているようで今春入試では辞退者もやや増加しています。注目されるのは男女別の入学者数で、開校2年目、3年目は女子の方が10名ほど多かったのが、今年は逆転して都内11校の公立一貫校中で唯一男子の方が多くなっています。
両国高附(墨田区)の母体校両国高校は旧制府立三中以来の名門校です。前年は附属中の1期生が卒業し、東大3名、一橋大1名、東工大4名など大学合格実績が伸びて注目を集めました。2013年春に卒業した2期生は東大5名、京大1名、一橋大3名、東工大5名などさらに実績が上がっていますから、まだまだ人気が上がりそうです。2013年入試では男子は増減なしですが、女子は小石川を敬遠した受検生が回ってきたのか12%増でした。入学手続き締切り時の辞退者は前年より2名増の7名ですが、繰り上げは順位20位まで確認されています。(21位以下は不明)
応募者が5%以上減ったのは小石川と九段の2校で、小石川が13%減、九段は5%減でした。

小石川 小石川(文京区)の母体校小石川高校は旧制府立五中以来の名門校です。都内の公立一貫校では最も入学難易度が高く、難関私立中との併願受検者も多いことで知られています。前年は1期生が卒業し東大4名、京大1名、一橋大2名などの大学合格実績が出ました。2013年春は浪人した1期生の頑張りもあって、東大5名、一橋大3名、東工大3名、早大57名、慶応大35名、上智大15名など前年を上回る実績を出しています。国公立大の合格者総数は現浪あわせて76名で、これは東京の公立一貫校11校の中で卒業生を出している5校では最も多くなっています。2012年、2013年と続いて応募者が減ったのはチャレンジ層に敬遠されたのが最大の理由と思われます。しかし別の見方をすれば入学難易度が小石川ほど高くはないのもかかわらず、小石川に遜色ない大学合格実績をあげた白鴎高附や桜修館に目を向けた受検生も相当数いたのは間違いなさそうです。ただし応募者は減っていますが受検者層は上位が厚くなっていて難易度は下がっていません。今年は男子の辞退者が7→20名と非常に増えていて、開成などの難関私立中併願者が多かったであろうことをうかがわせます。
九段(千代田区)は応募総数で5%減ですが、区民枠の区分Aは男女とも20%以上の増で、減っているのは区外枠の区分Bです。前年春に適性検査を受検して入学した最初の学年(3期生)が卒業しましたが目立った結果は出せませんでした。そのため目覚ましい大学合格実績を出した桜修館や白鴎高附に回った受検生も多かったものと思われます。しかし2013年春に卒業した4期生は東大2名、一橋大2名、東工大3名、早慶上智大51名など大きく大学合格実績を伸ばしましたから、2014年はB区分の応募者数も回復する可能性が大きいでしょう。
以上の7校は2013年入試で応募者数に大きな増減がありましたが、立川国際、富士高附、南多摩、武蔵高附の4校は2013年入試の応募者総数がほぼ前年並みでした。
その中で立川国際(立川市)の応募総数では前年並みですが、男女で大きく応募状況が異なります。もともと校名通り国際色豊かな学校で英語教育に定評があって、特に女子に人気の高い学校です。海外帰国生・都内在住外国人の入学枠があるため一般枠が男女各65名と他校に比べ少ないので一般枠は高倍率になりがちです。特に女子は2011年、2012年と2年連続で7.5倍と高倍率になり、2013年は明らかに敬遠されたようで女子の応募者は518→468名と10%減です。逆に男子は前年の実質倍率が4.2倍と低めだったためか応募者が290→360名と24%の大幅増となっています。

武蔵高附 武蔵高附(武蔵野市)は都内西部で最も難易度が高く、多摩地区全域から優秀な受検生を集めています。前年は小石川と同様にチャレンジ層に敬遠され男女ともに応募者数をかなり減らしました。しかし高いレベルの争いになっていて入学レベルは下がっていません。高い難易度が周知されてきたためか、今年も応募者数は前年並みで相変わらず高いレベルの選抜となっています。入学手続き締切り時の辞退者は前年より1名増の16名ですが、繰り上げは順位27位まで確認されています。(28位以下は不明)なお立川国際と武蔵高附は来年2014年3月に一貫1期生が卒業するので、その進路結果に注目が集まっています。
今回は東京の2013年度の公立中高一貫校入学者決定(以下入試とする)状況についてお伝えします。全体状況とともに、いくつかの学校については個別の入試状況も見ていきます。なお中高一貫校は①中等教育学校、②併設型、③連携型の3種類がありますが、ここでは①と②のみを扱います。また①タイプの都立桜修館中等教育学校は単に桜修館、②タイプの都立両国高校附属中学は両国高附と略称します。
2013年東京の公立中高一貫校の入試状況
東京には都立が10校と千代田区立1校の計11校の公立中高一貫校があります。11校の応募者数を以下にまとめておきます。数字は2012年志願者数→2013年志願者数および増減率(%)で、Mが男子、Fは女子です。また小石川と白鴎高附の特別枠と立川国際の在京外国人・帰国生枠は省略しました。
・桜修館 | M 475→649(+37%) F 597→852(+43%) 計 1,072→1,501(+40%) |
・大泉高附 | M 439→505(+15%) F 527→636(+21%) 計 966→1,141(+18%) |
・小石川 | M 618→527(-15%) F 515→454(-12%) 計 1,133→981(-13%) |
・立川国際 | M 290→360(+24%) F 518→468(-10%) 計 808→828(+2%) |
・白鴎高附 | M 487→518(+6%) F 659→724(+10%) 計 1,146→1,242(+8%) |
・富士高付 | M 351→356(+1%) F 419→418(±0%) 計 770→774(+1%) |
・三鷹 | M 567→608(+7%) F 534→615(+15%) 計 1,101→1,223(+11%) |
・南多摩 | M 538→523(-3%) F 647→656(+1%) 計 1,185→1,179(-1%) |
・武蔵高附 | M 385→379(-2%) F 359→357(-1%) 計 744→736(-1%) |
・両国高附 | M 462→463(±0%) F 460→515(+12%) 計 922→978(+6%) |
・千代田区立九段中等教育学校 区民枠の区分Aと都民(区外)枠の区分Bがあります。 |
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区分A | M 68→83(+22%) F 76→92(+21%) |
区分B | M 366→324(-11%) F 395→361(-9%) 計 905→860(-5%) |
(1)全体的状況
2011年から2013年までの3年間の都立10校の応募総数は(小石川と白鴎の特別枠と立川国際の帰国・外国人枠を除いて)、10,365名→9,847名→10,583名と前年はやや減りましたが、今年は7%の増加です。
また今年の入試で注目されるのは私立中併願受検者の増加です。これは合格発表後の入学手続き状況から判明する辞退者数の増加から見てとることができます。入学手続き締切り時点での都立10校の辞退者総数は2012年が92名 (男子36名、女子56名) に対し2013年は121名(男子66名、女子55名)で32%増です。女子の辞退者は前年より1名減ですから、増えているのは男子です。
最も辞退者が多かったのは小石川で、男子が7→20名、女子は9→11名で合計16→31名と今年は男子の辞退者が大きく増えています。なお入学手続き締切り以降にも私立中の繰り上げによって辞退者が発生することがあり、さらに繰り上げ合格の通知をしてもすでに私立中に合格していて入学辞退する方もいるため、上記の数字は辞退者の最小値ということになります。
さてそれでは私立中との併願者の増加の原因・背景について考えてみましょう。公立中高一貫校の受検者を私立受験との関係でみると次の3パターンがあります。
(ア) 公立一貫校のみ受検
(イ) 公立一貫校を第一志望として私立中を併願受験
(ウ) 私立中を第一志望として公立一貫校を併願受検
(ア)~(ウ)の割合は当然ながら地域や学校によって異なります。伝統的に公立志向が強い多摩地区や下町方面は(ア)の割合が高いことが知られています。しかし近年では公立一貫校受検者の取り込みを狙いとして適性検査型入試や特待制度を導入する私立中が増えてきたこともあり(イ)も増えてきているようです。公立一貫校志望者の通塾率が高くなるとともに、せっかく塾に通って勉強したのだから、公立1校だけではなく私立中も受験しようというケースも増えているようです。また難易度の高い小石川や武蔵高附、あるいは私立中受験率が高い都心部の九段や城南地区の桜修館などでは(ウ)のパターンが相当な割合になっているようです。今年の私立中併願者の増加は、(イ)も増加していると思われますが、(イ)の場合は辞退者が増えることはありませんから、難関私立中のみを受験していた上位層が、白鴎高附、小石川、桜修館の大学合格実績を見て公立一貫校も視野に入れた受験校選びをするようになって(ウ)のパターンが増えているのが主な要因と思われます。
(2)学校別の入試状況
次に都立10校と区立九段の応募状況を学校別に見てみます。
応募者が5%以上増えたのは以下の5校です。
桜修館 | +40% |
大泉高附 | +18% |
白鴎高附 | +8% |
三鷹 | +11% |
両国高附 | +6% |

桜修館 この中ではなんといっても桜修館(目黒区)の40%増が目につきます。これは2012年3月に卒業した1期生150名が東大4名、一橋大2名、東工大4名、早大51名、慶応大16名、上智大15名など素晴らしい合格実績をあげて俄然注目を集めましたから当然と言えそうです。城南地区はもともと私立中受験率が高い地域ですから、城南地区唯一の桜修館は私立中との併願者も多い学校です。入学手続き締切り時の辞退者は前年より6名増の17名ですが、繰り上げ人数は非公表ですが、順位21位まで繰り上がったことが確認されています。(22位以下は不明)
大泉高附(練馬区)はこの春に完成した新校舎人気で応募者が18%も増加しました。特に女子が大きく増えていますが、ここ数年女子が高倍率だった立川国際から回ってきた受検生もいたようです。また小石川など都心方面からの地元回帰もあったようです。
白鴎高附(台東区)は応募者が8%増えていますが、それだけはなく 1期生の大学合格実績を見て受検した前年の受検生から上位層が厚くなってきています。ボーダーのレベルが上がっていますが、今まで少なかった私立中との併願者が増えています。入学手続き締切り時の辞退者は前年より4名増の10名ですが、繰り上げは順位27位まで確認されています。(28位以下は不明)

三鷹 三鷹(三鷹市)は開校4年目の学校で2012年秋に新校舎が完成しました。サッカー強豪校としても知られ、それに憧れてくる男子受検生も多いようです。年々人気が上がっていて地元三鷹市の他、調布市、府中市など京王線沿線を中心に、杉並区、世田谷区、また最近では多摩市、稲城市方面からの受検生も増えています。また私学併願者が増えているようで今春入試では辞退者もやや増加しています。注目されるのは男女別の入学者数で、開校2年目、3年目は女子の方が10名ほど多かったのが、今年は逆転して都内11校の公立一貫校中で唯一男子の方が多くなっています。
両国高附(墨田区)の母体校両国高校は旧制府立三中以来の名門校です。前年は附属中の1期生が卒業し、東大3名、一橋大1名、東工大4名など大学合格実績が伸びて注目を集めました。2013年春に卒業した2期生は東大5名、京大1名、一橋大3名、東工大5名などさらに実績が上がっていますから、まだまだ人気が上がりそうです。2013年入試では男子は増減なしですが、女子は小石川を敬遠した受検生が回ってきたのか12%増でした。入学手続き締切り時の辞退者は前年より2名増の7名ですが、繰り上げは順位20位まで確認されています。(21位以下は不明)
応募者が5%以上減ったのは小石川と九段の2校で、小石川が13%減、九段は5%減でした。

小石川 小石川(文京区)の母体校小石川高校は旧制府立五中以来の名門校です。都内の公立一貫校では最も入学難易度が高く、難関私立中との併願受検者も多いことで知られています。前年は1期生が卒業し東大4名、京大1名、一橋大2名などの大学合格実績が出ました。2013年春は浪人した1期生の頑張りもあって、東大5名、一橋大3名、東工大3名、早大57名、慶応大35名、上智大15名など前年を上回る実績を出しています。国公立大の合格者総数は現浪あわせて76名で、これは東京の公立一貫校11校の中で卒業生を出している5校では最も多くなっています。2012年、2013年と続いて応募者が減ったのはチャレンジ層に敬遠されたのが最大の理由と思われます。しかし別の見方をすれば入学難易度が小石川ほど高くはないのもかかわらず、小石川に遜色ない大学合格実績をあげた白鴎高附や桜修館に目を向けた受検生も相当数いたのは間違いなさそうです。ただし応募者は減っていますが受検者層は上位が厚くなっていて難易度は下がっていません。今年は男子の辞退者が7→20名と非常に増えていて、開成などの難関私立中併願者が多かったであろうことをうかがわせます。
九段(千代田区)は応募総数で5%減ですが、区民枠の区分Aは男女とも20%以上の増で、減っているのは区外枠の区分Bです。前年春に適性検査を受検して入学した最初の学年(3期生)が卒業しましたが目立った結果は出せませんでした。そのため目覚ましい大学合格実績を出した桜修館や白鴎高附に回った受検生も多かったものと思われます。しかし2013年春に卒業した4期生は東大2名、一橋大2名、東工大3名、早慶上智大51名など大きく大学合格実績を伸ばしましたから、2014年はB区分の応募者数も回復する可能性が大きいでしょう。
以上の7校は2013年入試で応募者数に大きな増減がありましたが、立川国際、富士高附、南多摩、武蔵高附の4校は2013年入試の応募者総数がほぼ前年並みでした。
その中で立川国際(立川市)の応募総数では前年並みですが、男女で大きく応募状況が異なります。もともと校名通り国際色豊かな学校で英語教育に定評があって、特に女子に人気の高い学校です。海外帰国生・都内在住外国人の入学枠があるため一般枠が男女各65名と他校に比べ少ないので一般枠は高倍率になりがちです。特に女子は2011年、2012年と2年連続で7.5倍と高倍率になり、2013年は明らかに敬遠されたようで女子の応募者は518→468名と10%減です。逆に男子は前年の実質倍率が4.2倍と低めだったためか応募者が290→360名と24%の大幅増となっています。

武蔵高附 武蔵高附(武蔵野市)は都内西部で最も難易度が高く、多摩地区全域から優秀な受検生を集めています。前年は小石川と同様にチャレンジ層に敬遠され男女ともに応募者数をかなり減らしました。しかし高いレベルの争いになっていて入学レベルは下がっていません。高い難易度が周知されてきたためか、今年も応募者数は前年並みで相変わらず高いレベルの選抜となっています。入学手続き締切り時の辞退者は前年より1名増の16名ですが、繰り上げは順位27位まで確認されています。(28位以下は不明)なお立川国際と武蔵高附は来年2014年3月に一貫1期生が卒業するので、その進路結果に注目が集まっています。