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そうだったのか中学入試
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コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」第51~60話 > 第52話 「2014年中学入試予想 第3弾 ――11月公開模試から入試動向を読む――」

第52話「2014年中学入試予想 第3弾 ――11月公開模試から入試動向を読む――」

 

2013年12月17日

目次

1.男子校 女子校・・・2013年12月17日更新
2.共学校 大学付属校・・・2013年12月20日更新
3.国立大付属校 公立中高一貫校・・・2013年12月24日更新


今回は前回につづき11月の大手公開模試データから2014年中学入試を予測します。10月からの変化が見られる学校および前回まで触れてこなかった国立大付属校と公立中高一貫校について見ていきます。また今回は過去問題集の製作・販売で定評のあるK社の出庫データについても適宜参照していきます。また公立中高一貫校の志望動向は大手公開模試のデータだけでは見ることができないため小社の独自調査による説明会参加人数も合わせて見ていきます。

11月の大手公開模試受験者総数は43,871名で前年比5.9%減と9月の5.7%減とほとんど同水準でした。11月は昨年別日程だった複数の公開模試が同日実施になった分の減少があったはずで,それを考慮すれば受験者数の減少は4~5%でしょう。また10月に引き続き女子の方の減少が大きく,男子が4.9%減に対し女子は6.8%減となっています。
11月は志望校がほぼ固まってくる時期です。ボリュームのある夏期講習会での学習の成果が9月・10月の模試や過去問演習などを通じて確認され,より具体的に志望校が絞り込まれてほぼ実際の受験校に近い志望状況になっていると思われます。

なお各学校の数値は左から,(9月→)10月→11月の志望者数前年比(%)で,Mは男子,Fは女子,MFは男女計です。

1.10月以降に志望動向に変化が見られる学校

(1)男子校

都内最上位校の志望動向で9月から11月へかけての志望者数前年比の変化は以下のようになっています。

麻布(港区) 111%→96%→103%
開成(荒川区) 93%→91%→88%
武蔵(練馬区) 120%→125%→124%
駒場東邦(世田谷区) 86%→86%→88%

この4校の志望者合計は10月から11月で3,561→3254名でこの1か月では9%減で,昨年は5%減でしたから今年は減少がかなり大きく,より確実な受験校選択という安全志向が働いているのかもしれません。前年との同月比較でみると,9月段階での4校の志望者数合計は今年と前年でほとんど同数(0.4%減)でしたが,10月では5%減,11月ではわずかに持ち直して3,376→3,254名と4%減です。個々の学校では10月から11月にかけて,麻布の前年比が大きくアップ,逆に開成は下がっています。これから見て開成から麻布への受験生の流れがありそうです。


武蔵
武蔵
武蔵は勢いを持続していて,このままいけば難易度アップもありそうです。
駒場東邦はわずかに上昇ですが依然として前年比10%以上のマイナスです。
この志望状況はK社の学校別過去問の出庫データと前年比の増減傾向がおおむね一致していますが,駒場東邦の出庫データは前年比100%で模試データと大きく食い違います。3か月連続で80%台の模試データの方が実情を反映しているでしょう。

海城(新宿区) 1回 82→88%
2回 99→97%
早稲田(新宿区) 1回 73→79%
2回 86→85%

海城と早稲田の2校は場所もレベルも近く競合している学校ですが,志望者の前年比はこの1か月でともに1回が6%増加して,2回はともに微減です。なお早稲田1回の減少が大きいのは,同じ早大系の早大高等学院の大幅増によるものでしょう。

芝(港区) 1回 108→104%
2回 109→109%
世田谷学園(世田谷区) 1回 73→71%
2回 83→80%
3回 82→65%

芝の10月から11月にかけて1回の前年比がやや下がっていますが依然として好調を維持しています。
世田谷学園の11月に入って1回・2回とも前年比がわずかに下がっています。世田谷学園の前年比の低下は明らかに前年までの難化に対する反動で,このままいくと入試状況はやや緩和しそうです。
2月1日入試に参入する本郷(豊島区)は10月から11月へかけて通常は志望者が減るのですが,なんと総数で前月と全く同数の2,298名でした。11月志望者総数の前年比は12%増で,10月は16%増でしたからやや下がっています。応募者が急増しそうな状況を見た受験生に敬遠された可能性が高そうです。

東京都市大付(世田谷区) 1回 107→98%
2回 85→84%
3回 126→107%
4回 90→86%
高輪(港区) 117→95%
105→109%
算数 99→103%
117→107%

むかうところ敵なしで4年連続の応募者増,また3年年連続で都内最多応募者を記録した東京都市大付はさすがにここにきて一息いれた感があります。しかしここ数年難化が続いていましたから減っているのはチャレンジ層と思われ,難易度の緩和は期待しない方がよさそうです。
高輪
高輪
前回にも触れた高輪は2月1日のAの前年比が下がっていますが,上位校との併願受験者が多い2日午前のB,午後の算数入試の前年比が上がっていて,上位生が増えていることが予想されます。

神奈川の上位4校の9月から11月にかけての志望者数前年比の推移は以下のようになっています。

栄光学園(鎌倉) 88→90→92%
聖光学院(横浜市中区) 1回 105→107→102%
2回 91→102→102%
浅野(横浜市神奈川区) 88→86→87%
サレジオ学院(横浜市都筑区) 81→73→70%
73→72→74%

栄光学園はじわじわと前年比が上がっていますが,最終的には前年の応募者数には届かない可能性が高そうです。
逆に聖光学院1回は前年比がかなり下がってきたので,最終的には応募者が前年並みになる可能性も出てきました。この2校はK社の出庫データと前年比の増減傾向が一致しています。
しかし浅野は出庫データでは96%,サレジオ学院は85%ですから模試データとの食い違いがあり,実際の応募者はもう少し増える可能性があるでしょう。

湘南地区のライバル2校の状況は,

鎌倉学園(鎌倉市) 1回 101→96%
2回 103→96%
3回 77→72%
逗子開成(逗子市) 120→106%
102→98%
117→105%

鎌倉学園の1回・2回は前年比がマイナスに転じ,逗子開成もAとCは相当に下がって両校痛み分けです。

(2)女子校

都内の最上位校の9月から11月へかけての志望者数前年比の推移は以下のようになっています。

桜蔭(文京区) 101→96%→97%
女子学院(千代田区) 109→106%→107%
雙葉(千代田区) 88→89%→89%

見ての通り先月からほとんど変化がないので,どうやら入試までこのままいきそうな気配です。この3校の志望者合計は10月から11月で1,961→1,870名と5%減で昨年も同じ5%減でした。また前年との同月比較でみると,10月の段階では4校の志望者数合計は2%減でしたが,11月では1,884→1,870名と1%減です。K社の学校別過去問の出庫データでは女子学院が微減ですが,9月からの模試データはすべて前年比プラスですから模試データの方が実勢を反映しているでしょう。桜蔭と雙葉の出庫データはほぼ模試データと一致しています。

これに続くレベルの学校の10月から11月にかけての志望者数前の推移は,

豊島岡女子(豊島区) 1回 91%→94%
2回 85%→92%
白百合学園(千代田区) 106%→104%
鴎友学園女子(世田谷区) 1次 110%→108%
2次 107%→111%
吉祥女子(武蔵野市) 1回 107%→111%
2回 101%→93%

豊島岡女子は徐々に前年比が上がってきていますが,最終的な応募者では前年を下回りそうです。1回の減少は受験生が白百合学園や鴎友学園女子へ回っていそうです。
鴎友学園女子の2次の前年比がかなり上がって,逆に吉祥女子の2回はかなり前年比が下がっていますが,両校の間で受験生が揺れ動いているのかもしれません。

大妻中野(中野市) 1回 107%→118%
2回 110%→112%
3回 104→113%
恵泉女学園(世田谷区) A1回 137%→129%
194%→202%
A2回 103%→117%

大妻中野は3か月連続で1回~3回の志望者前年比が上昇し続けています。月次ごとあるいは入試回による増減があるのが普通ですから,これは実は大変なことです。(4回はデータ件数が少ないので割愛しています。)

恵泉女学園
恵泉女学園
前回もふれた恵泉女学園は新設の午後S入試が前年比で200%を超えました。それにつられるようにA入試の1回,2回とも前年比が大きく上がっています。

山脇学園(港区) 114→109%
116→107%
127→111%
跡見学園(文京区) 1回 87→100%
2回 99→109%
3回 89→98%
三輪田学園(千代田区) 1回 70→73%
2回 78→81%
3回 93→92%
昭和女子大(世田谷区) 123→127%
114→126%
107→94%

今春入試に応募者が急増して,今や大人気校になった山脇学園は9月以降少しずつ前年比が下がってきています。これは人気が下火になったというより応募者増や難化が予想されるためにチャレンジ層に敬遠してきたものと思われます。山脇学園を敬遠した受験生はどうやら校風が近い跡見学園や,難易度的にほとんど同じですが三輪田学園,あるいは少々校風は異なりますが昭和女子大などへ回っているようです。

次に神奈川の女子校を見ていきます。最上位校の9月から11月へかけての志望者数前年比の推移は以下のようになっています。

フェリス女学院(横浜市中区) 79→69%→71%
横浜雙葉(横浜市中区) 86→76%→81%
横浜共立(横浜市中区)A 94→88%→84%

フェリス女学院は10月から11月にかけてわずかに前年比が上がっていますが,依然として前年比29%減で応募者の大幅減が予想されます。

横浜雙葉はやや復調していますが,横浜共立学園からの流れがあるのかもしれません。
この3校に続くのが以下の学校です。

鎌倉女学院(鎌倉市) 1回 90→91%
2回 123→113%
湘南白百合(藤沢市) 84→79%
洗足学園(川崎市高津区) 1回 90→88%
2回 79→80%
3回 92→93%
日本女子大附(川崎市多摩区) 1回 106→108%
2回 105→104%

以上の4校には大きな変化はありませんが,湘南白百合は一般募集が60名の小規模募集校ながら,9月以来前年比が下がり続けているのが気になります。

神奈川学園(横浜市神奈川区) A1 97→109%
A2 119→113%
131→134%
109→114%
清泉女学院(鎌倉市) 1回 92→104%
2回 102→112%
横浜女学院(横浜市中区) 111→117%
79→83%
108→107%
104→128%
116→110%

この3校は9月から3カ月連続で志望者の前年比増加を続けていますから,実際の入試でも間違いなく応募者が増加するでしょう。特に学校改革の成果が上がって評価が高くなっている神奈川学園(第50話参照)は4回の入試すべてで前年比を大きく上回っており,2月1日午前・午後のA1・A2,2日のBの増え方から見て第一志望者,併願者ともに増えていることがうかがえます。
清泉女学院の1回は10月にいったん前年比を下回りましたが11月には回復しています。10~11月でほとんど受験校が固まってきますから,この志望状況のまま入試まで行く公算が大です。
横浜女学院
横浜女学院
横浜女学院は2月1日午前のAを40→45名に増員し,逆に午後のBを45→40名に減員します。そのためかBの前年比が下がっていますが,他の回は相当に前年比を上回っていて,応募総数が3年連続の増加となりそうです。上位層が増えてきており難易度上昇の可能性があります。

聖セシリア女子(大和市) 1回 120→103%
2回 94→87%
3回 98→88%
聖園女学院(藤沢市) 1次 199→105%
2次 100→97%
3次 70→95%
4次 102→95%

聖セシリア女子1回は10月より下がっていますが前年比はまだプラスです。 聖園女学院1次は11月にふたたびプラスに転じました。この2校はともに小田急江ノ島線沿線にあるカトリックの女子校でライバル関係にあり,受験生が両校の間を揺れ動いているようですが,両校ともしっかりと第一志望者を確保しているようです。

埼玉の女子校は次の3校です。

浦和明の星女子(さいたま市緑区) 1回 94→97%
2回 102→89%
大妻嵐山(比企郡嵐山町) SA奨学 95→72%
1回 92→94%
2回 123→133%
*セレクト午前・午後,SA,3回はデータ件数が少ないので割愛します。
淑徳与野(さいたま市中央区) 1回 96→103%
2回 81→97%

県内女子のトップ校の浦和明の星女子は1回が微増で2回が大幅減ですが,2回は2月4日なので1回の結果,あるいは都内上位校の結果次第で動きますから,現段階では何とも言えないでしょう。

淑徳与野
淑徳与野
浦和明の星女子に次ぐ人気校の淑徳与野は11月に入って1回・2回とも志望者前年比が大きく上昇しています。現在は場所が離れている高校が,2015年に中学の隣接地に新校舎を建設して移転するとの情報が浸透してきたのでしょうか。

大妻嵐山のSA奨学の前年比が大きく下っていますが,30→10名の大幅減員ですから10月までの志望者が多すぎだったとおもわれます。

千葉の女子校は次の3校です。

国府台女子学院(市川市) 1回 87→87%
2回 74→67%
聖徳大附女子(松戸市) 1回午前 139→138%
1回午後 141→89%%
*2回,3回,特待はデータ件数が少ないので割愛します。
和洋国府台女子(市川市) 1回 101→81%
*2回(午後新設),3回はデータ件数が少ないので割愛します。

聖徳大附女子の1回午後の志望者前年比が大きく下っていますが,1回午前が15→80名と大幅増員,午後は逆に45→10名と減員ですから10月の前年比141%が定員減を反映していなかったものと思われます。

(3)共学校

今回は前回に引き続き共学校の志望動向を見ていきます。大学付属校については最後にまとめて見ていきます。なおMは男子,Fは女子で,各学校の志望者の増減の数値は前年同月実施模試の志望者との対前年比(%)です。

① 東京の共学校

都内の主な共学校の10月から11月にかけての志望者数前年比の推移は以下の通りです。
まず市進偏差値で55以上(複数コースのある場合は定員の多いコース初回の偏差値,以下同様)の学校を見ていきます。

穎明館(八王子市) 1回 62→69%
88→89%
2回 89→93%
102→103%
3回 85→83%
86→82%
渋谷教育学園渋谷(渋谷区) 1回 84→83%
83→81%
2回 99→100%
101→101%
3回 79→82%
71→77%
東京都市大等々力(世田谷区) 特進1回 94→89%
96→105%
特進2回 76→71%
100→96%
特選1回 71→66%
67→94%
特選2回 80→86%
125→117%
特選3回 88→93%
176→95%
東京農大一(世田谷区) 1回 95→88%
127→115%
2回 103→99%
85→100%
3回 85→85%
114→109%
広尾学園(港区) 1回 90→73%
103→102%
2回 83→75%
86→83%
医進 103→58%
91→95%
3回 88→88%
121→106%

都内共学校トップの渋谷教育学園渋谷は2回が男女とも前年並みですが,1回・3回は男女とも前年比8割前後で,このままいけば男子は2年連続の減少になります。男子は慶応普通部や武蔵,女子は女子学院や鴎友学園女子などの別学の有力校との競合による減少と思われ,難易度が多少緩和する可能性があります。

広尾学園
広尾学園
広尾学園の女子は微減ですが男子は相当大きな減少です。応募者の増加,難易度の上昇が続いていましたが,今春入試でやや停滞が見られ2014入試では応募者が減少に転じそうです。減っているのは主に中位以下の層と思われ,難易度が大きく低下することはないでしょうが,ボーダーあたりで若干緩和する可能性はあります。

東京農大一は男女で志望傾向がはっきり異なっています。男子の志望者数は3回とも前年比を下回り,女子は3回とも前年以上です。

東京都市大等々力も共学化から3年間大変な勢いで右肩上がりの応募者増と難化を続けていましたが、2014年入試では一息入れそうです。女子の前年比はさほど下がっていませんが,男子はすべての回で前年比を下回っています。急激な難化によって主に中位以下の層に敬遠されているようですが,上位層も東京都市大付,東京農大一や中央大学横浜などの上位校との競合するようになり,ボーダーあたりで若干緩和する可能性はあります。

次に市進偏差値 55未満の学校を見ていきます。

桜美林(町田市) 1回AM 64→55%
80→79%
1回PM 70→61%
75→83%
2回AM 72→54%
121→71%
2回PM 73→60%
77→71%
3回 77→61%
89→86%
かえつ有明(江東区) 1回午前 120→124%
89→90%
1回午後 101→118%
122→182%
2回午前 142→160%
121→77%
2回午後 108→85%
121→103%
4回 185→140%
142→124%
  *3回はデータ件数が少ないので割愛しました
国学院久我山(杉並区) 1回 77→75%
106→107%
1回ST 87→102%
83→94%
2回 83→86%
96→123%
2回ST 82→86%
94→101%
3回 69→76%
91→90%
淑徳(板橋区) 1回 70→56%
102→94%
東大1回 89→88%
117→107%
2回 71→77%
96→100%
3回 91→95%
107→105%
  *東大2回はデータ件数が少ないので割愛しました。
順天(北区) 1回A 82→77%
69→73%
1回B 96→86%
100→80%
2回A 131→115%
62→77%
2回B 85→93%
63→72%
  *3回はデータ件数が少ないので割愛しました。
青稜(品川区) 1回A 123→99%
110→106%
1回B 98→103%
148→110%
2回A 100→73%
92→87%
2回B 81→78%
106→101%
3回 86→89%
104→116%
帝京大学(八王子市) 1回 134→130%
101→119%
2回 97→113%
109→94%
3回 97→83%
91→97%

国学院久我山は男女とも10月よりは復調していますが,男子は依然として5回中4回で前年比を下回っています。

帝京大学は今春入試で1回・2回の応募者が大きく減りましたが,10月模試の1回の志望者前年比が大きく伸び,11月で1回の女子,2回の男子がさらに大きく伸びていて最終的に一昨年の応募者数まで回復しそうです。

桜美林は志望者数の大幅減がなかなか回復せず,入試までこの状態が続きそうです。緩和した入試になるのは確実です。

青稜は男女とも入試回ごとの志望者が上下していますが,やや男子の志望者が減り気味です。

かえつ有明は2月1日午前・午後が10月に減りましたが,11月に入って特に午後の前年比が大きく上がっています。

淑徳は1回の男子が大きく減り,2回の男子も回復していません。上記のかえつ有明や来春共学化される安田学園の影響がありそうです。

② 神奈川の共学校

神奈川の主な共学進学校の10月から11月にかけての志望者数前年比の推移は以下の通りです。

神奈川大附(横浜市緑区) 91→81%
86→90%
93→84%
93→87%
78→75%
85→80%
桐光学園(川崎市麻生区) 1回 115→112%
106→107%
2回 117→113%
127→124%
3回 144→118%
122→124%
湘南学園(藤沢市) 121→90%
89→75%
162→110%
81→93%
114→123%
99→101%
157→136%
97→101%
森村学園(横浜市緑区) 1回 92→106%
83→79%
2回 120→84%
83→78%
3回 78→76%
97→103%
山手学院(横浜市栄区) 105→99%
84→96%
114→88%
83→80%
66→65%
49→45%
後期 95→96%
84→92%

神奈川大附はAの女子を除き11月の志望者数前年比が10月より下がっていて,特に男子の減少が大きくなっています。おそらく桐光学園との競合によるものでしょう。

武蔵
桐光学園
その桐光学園は今春入試で応募者総数が9%減,受験者総数では17%減と大きく減りました。しかし東大5名,東工大16名,東北大5名,東京外大10名などの難関国公立大の実績が好調で,11月模試の志望者は男女とも前年比を大きく上回りはっきりと回復傾向を示しています。

森村学園は11月になって1回の男子と3回の女子の志望者前年比がプラスに転じましたが,他の回は減少がさらに大きくなっています。やはり桐光学園との競合によるものでしょう。

湘南学園の男子は今春入試の勢いが続いていますが,女子はA,Bで前年比を下回っています。B,C,Dでは復調のきざしもありますが,Aの減少は大きく前年並みに回復するのは難しいでしょう。

関東学院(横浜市南区) 1期A 89→93%
91→53%
1期B 89→84%
90→82%
1期C 81→95%
92→90%
2期 77→81%
65→71%
桐蔭学園(横浜市緑区) 1次 89→82%
56→59%
中等 98→103%
理数 139→129%
2次A 99→115%
119→88%
中等 104→81%
理数 133→89%
2次B 93→84%
94→112%
中等 85→95%
理数 70→80%
3次 91→78%
100→117%
中等 73→91%
理数 142→126%

関東学院の男子はやや復調していますが,女子は2期以外で志望者前年比が下がっています。特に1期Aの減が大きいのは横浜女学院Aや聖セシリア女子1次,あるいは新設の横浜英和女学院A1などの女子校との競合によるものでしょうか。

桐蔭学園は別学の中学校と男子校の中等教育学校は別の学校ですが,入試は一体的に行われているため,ここでまとめて見ておきます。(表中のM,Fは中学校の男子部,女子部,理数は中学女子部の理数コースです)10月の志望者数は男子の中等教育学校と女子は1回の普通コースを除き普通,理数コースとも大きく志望者数を回復していましたが,11月はさらに増えて中等教育学校1次,男子2次A,女子2次B,3次は前年比を上回りました。ただし合格者を増やすとのことですから難易度の上昇はないでしょう。

③ 埼玉の共学校

埼玉の主な共学進学校の10月から11月にかけての志望者数前年比の推移は以下の通りです。

開智(さいたま市岩槻区) 先端A 82→82%
101→103%
1回 83→75%
86→85%
2回 96→73%
112→114%
先端B 109→93%
124→122%
栄東(さいたま市見沼区) 112→114%
126→133%
東大Ⅰ 102→106%
110→112%
123→125%
131→142%
東大Ⅱ 83→88%
96→106%
  *東大Ⅲはデータ件数が少ないので割愛しました。

この2大ライバル校の志望状況は開智先端A栄東Aの男子で9月以降,10月,11月と栄東の優位が広がっています。さらに栄東は上記の4回すべてで女子の志望者前年比が大きく上がっています。

西武学園文理(狭山市) 1回 79→78%
70→73%
1回特選 102→105%
115→124%
2回 71→66%
74→82%
2回特選 75→79%
104→122%
3回 71→86%
87→59%
3回特選 142→81%
97→136%
  *4回特選はデータ件数が少ないので割愛しました。
浦和実業(さいたま市南区) 1回AM 67→65%
84→70%
1回PM 86→58%
68→73%
2回 81→90%
92→83%
3回 180→127%
80→90%
  *4回はデータ件数が少ないので割愛しました。

西武学園文理は県西部の最有力校ですが,開智と栄東に押されているのか男子は苦戦が続いています。しかし特選の女子は1回,2回,3回とも大きく前年比が上がっています。

浦和実業は9月から10月にかけてすべての試験回で志望者数前年比が下がりましたが、11月は3回女子以外さらに前年比が下がっています。入試は相当に緩和しそうです。
今春開校した2校の10月から11月にかけての志望状況です。

狭山ヶ丘(入間市) 1回 148→150%
134→104%
2回 163→179%
153→130 %
  *3回・4回はデータ件数が少ないので割愛しました。
武南(蕨市) 1回午前 84→96%
90→87%
1回午後 75→95%
70→95%
2回 104→98%
79→90%
  *3回はデータ件数が少ないので割愛しました。

狭山ヶ丘は男女とも好調で特に男子の志望者前年比が前年を大きく上回っています。

武南は10月よりかなり前年比が上がってきました。前回は今春入試の応募者に並ぶのは難しいだろうと書きましたが,1月の入試ではほぼ前年並みの応募者数となる可能性も出てきました。

④ 千葉・茨城の共学校

千葉・茨城の主な共学進学校の10月から11月にかけての志望者数前年比の推移は以下の通りです。なお数値に男女計と男女別が混在していますが,これは元になる模試データのためです。まずトップ3校から。

渋谷教育学園幕張(千葉市美浜区) 1回 MF 95→100%
2回 MF 105→98%
市川(市川市) 1回 MF 94→99%
2回 MF 105→93%
東邦大東邦(習志野市) 前期 MF 100→100%
後期 MF 103→107%

渋谷教育学園幕張市川の1回はともに11月で志望者数前年比が前年の水準まで回復しています。

芝浦工大柏(柏市) 1回 MF 97→101%
2回 112→112%
103→98%
  *3回はデータ件数が少ないので割愛します。
江戸川学園取手(取手市) 1回 MF 99→103%
2回 121→105%
110→100%
3回 200→225%
153→133%
茗溪学園(つくば市) 1回 106→126%
97→94%
2回 185→208%
175→111%
  *推薦は模試データがなく,
3回はデータ件数が少ないので割愛します。

芝浦工大柏は10月で前年比がマイナスだった1回がプラスに転じています。

江戸川学園取手
江戸川学園取手
江戸川学園取手は茨城の学校ですが千葉からの受験生が非常に多い学校です。3回とも増加で勢いがあります。3回が激増していますが,2月4日という東京の入試後半の入試日程ですのでこの数字は当てになりません。

茗溪学園は1回の入試日を1月13日→1月12日とし,定員を男女合わせて110名→95名と減員し,2回は逆に15→20名と増員し,2月6日に定員10名で筆記試験は日本語エッセイという3回を新設します。なぜか定員減の1回の男子が11月に入って急増,2回は定員増といっても5名増えるだけなのにやはり男子は2倍以上の増加です。

(4)大学付属校

まず早慶大系列校の9月から11月までの志望者数前年比の推移から見ていきます。

慶應普通部(横浜市港北区) M98→104→105%
慶應中等部(港区) M98→94→94%
F84→80→81%
慶應湘南藤沢(藤沢市) M100→94→92%
F96→93→87%
早大高等学院(練馬区) M113→118→124%
早稲田実業(国分寺市) M84→83→77%
F81→72→75%

慶応湘南藤沢は男子の志望者前年比がわずかに下がり,女子の前年比はかなり下がってきています。

早大高等学院は9月以降,10月,11月と志望者前年比が上がり続けています。前年の応募者数を大きく超える入試になるのは間違いありません。

早稲田実業の男子は受験生が早大高等学院へ流れているようで11月の志望者の前年比が大きく下がりました。女子は先月からやや回復しています。

次にGMARCH大系列校の10月から11月にかけての前年比の推移を見ていきます。

学習院(豊島区) 1回 M124→125%
2回 F140→126%
学習院女子(新宿区) A F80→81%
B F76→76%
明大明治(調布市) 1回 M85→91%
F114→116%
2回 M84→83%
F89→104%
明大中野(中野区) 1回 M97→92%
2回 M83→86%
明中八王子(八王子市) 1回 M118→108%
F85→83%
2回 M101→88%
F81→81%
青山学院(渋谷区) M105→104%
F86→90%
立教池袋(豊島区) 1回 M117→115%
2回 M100→93%
立教新座(新座市) 1回 M93→94%
2回 M87→97%
立教女学院(杉並区) F84→96%
中央大学附(小金井市) 1回 M84→97%
F78→88%
2回 M84→93%
F93→99%
中央大学横浜(横浜市都筑区) 1回 M88→92%
F93→89%
2回 M94→86%
F85→80%
3回 M80→85%
F85→92%
法政大学(三鷹市) 1回 M113→116%
F139→116%
2回 M86→116%
F95→96%
3回 M103→121%
F135→136%
法政大学第二(川崎市中原区) 1回 M110→109%
2回 M105→100%

明大明治
明大明治
明大明治は1回男子と2回女子が大きく増えています。青山学院が2日から3日に移動して明大明治2回と入試日が重複しますが,明大明治の方を選択する女子が増えているようです。2回女子は入試状況が緩和するかもしれないと前回書きましたが,この志望状況ではそうはならないようです。

明中八王子は2回男子の志望者前年比が大きく下っているのが目につきます。

青山学院の女子は減少幅を縮小して前年比マイナス10%まで来ました。最終的に入試で前年並みまで戻るかどうかは微妙なところでしょう。

立教女学院はここ2年間応募者の減少が続き,10月の志望者は前年比16%減でしたが11月にはかなり回復し4%減まで来ています。

法政大学はこの2年間応募者の減少が続き,9月模試でも前年比を下回っていましたが,10月に入って志望者の前年比が大きく上がりましたが,11月に入ってさらに男子は3回とも志望者数前年比が上がっています。

成蹊(武蔵野市) 1回 M113→104%
F139→86%
2回 M86→113%
F95→116%
成城学園(世田谷区) 1回 M118→121%
F85→107%
2回 M101→91%
F81→111%

成蹊は10月に1回が大きく復調し,2回の前年比は下がっていましたが,11月では逆に1回が大きく下がり,2回が大きく上がっています。これは受験生が2月1日の1回から4日の2回に動いるためで,法政大学1回の志望者増と関連しているようです。

成城学園
成城学園
成城学園の女子は2年連続で応募者が大きく減少しました。志望者数前年比は9月にいったん復調し,10月では大きく下がりましたが,11月に入って1回・2回とも大きく上昇しています。

さてここで日大系と東海大系の10月から11月の志望者数前年比の推移をまとめて掲載します。11月になって前年比が下がっている学校が多く,掲載されている日大系8校の19入試回のうち前年比が100%を超えているのは3回,東海大系3校の10入試回はすべて前年比が100%を下回っています。日大系,東海大系を第一志望とする受験生にとっては受験しやすい入試になりそうです。

日本大学(横浜市港北区) M83→80%
F105→88%
M93→96%
F98→93%
M81→93%
F123→114%
日大藤沢(藤沢市) 1回 M74→69%
F90→94%
2回 M102→83%
F88→100%
日大第一(墨田区) 1回 M78→67%
F78→88%
2回 M96→89%
F103→91%
*2科はデータ件数が少ないので割愛します。
日大第二(杉並区) 1回 M103→82%
F85→81%
2回 M88→114%
F84→77%
日大第三(町田市) 1回 M108→84%
F101→92%
2回 M109→100%
F83→75%
日大豊山(北区) 1回 M95→90%
3回 M83→88%
4回 M86→92%
2回Pは新設
日大豊山女子(板橋区) 1回 M92→94%
2回 F88→94%
3回 F61→61%
*4回はデータ件数が少ないので割愛します。
千葉日大第一(船橋市) Ⅰ期 M82→85%
F100→107%
Ⅱ期 M81→77%
F98→88%
*Ⅲ期はデータ件数が少ないので割愛します。
東海大浦安(浦安市) M87→77%
F79→73%
M95→96%
F97→82%
東海大高輪台(港区) 2回 M64→69%
F111→87%
*1回はデータ件数が少ないので割愛します。
東海大相模(相模原市) M89→77%
F76→86%
M85→80%
F78→79%

(5)国立大学付属校

まず都内の学校から見ていきます。数値は左から順に、’13年11月志望者、'12年11月志望者、および11月模試志望者の前年比(%)です。

  ’13 ’12 前年比
お茶水女子大附 35 36 97%
230 284 81%
東京学芸大世田谷 128 150 85%
129 183 70%
東京学芸大竹早 157 162 97%
169 168 101%
東京学芸大小金井 96 85 113%
71 87 82%
筑波大附 202 222 91%
231 236 98%
筑波大附駒場 619 647 96%
東京大学附 111 108 104%
105 107 98%
*東京学芸大国際はデータが少ないので割愛します

東京学芸大世田谷
東京学芸大世田谷
この中で目につくのが東京学芸大世田谷の志望者減少です。この3年間の入試での応募者の推移は男子が155→165→135名、女子は229→191→171名と減少傾向が顕著で、上記の志望状況が入試まで続けば男子は2年連続、女子は3年連続の応募者減となります。

またお茶水女子大附の女子もこの3年間の入試での応募者の推移が294→274→248名と減少傾向が続き、11月の志望者数前年比の通りになればギリギリ200名を超えるかどうかという応募者数になりそうです。

両校の志望者減少傾向はともに都立中高一貫校と競合しているのが主要因でしょう。

東京学芸大小金井は定員が男子21→22名と1名増、女子24→27名と3名増ですが、男女で著しく志望動向が異なります。この志望動向のまま入試をむかえれば男子は厳しく、女子はやや緩和した入試になりそうです。 次は神奈川の2校です。

  ’13 ’12 前年比
横浜国大横浜 110 92 120%
121 115 105%
横浜国大鎌倉 51 83 61%
59 60 98%

横浜国大横浜
横浜国大横浜
横浜国大横浜の男子は志望者数前年比が大きく上がり、逆に横浜国大鎌倉の男子は大きく下がっています。これは2012年に開校した横浜市立南高附と横浜国大横浜(鎌倉)を併願して両方に合格した受験者が横浜市立南高附を選んで大量の入学辞退者が出たため、2013年入試から横浜、鎌倉ともに入試日を横浜市立南高附と同じ2月3日にぶつけたところ、まさしく「返り討ち」にあって横浜国大横浜は一般応募者が55%減、実受験者では62%減と激減、鎌倉の一般応募者も39%減、実受験者では41%減だったという事情があります。結局は横浜市立南高附との競合がより厳しく応募者の減少が大きかった横浜の方に鎌倉から受験生が流れているということです。

最後に千葉と埼玉です。

’13 ’12 前年比
千葉大附 145 189 77%
119 167 71%
埼玉大附 57 48 119%
63 43 143%

千葉大附は今春入試より一般の定員が70→50名と減員され、応募者も減りましたが倍率が男子6.0→8.4倍、女子6.5→7.6倍と上がったためか敬遠されているようで、男女とも相当に前年比が下がっています。

埼玉大附は男女とも前年比が上がっていますが、特に女子の前年比が大きく上がっています。これは今春入試で女子の応募者が213→149名と大幅減だった反動と思われます。

(6)公立中高一貫校

公立中高一貫校の志望者は大手公開模試を受験していない受検生が多く(特に公立のみ受検の場合)、また規模は小さいながら公立対策模試が数社で実施されていて、そちらを受けている受検生もかなりいるようです。そのため国私立中のように大手公開模試の志望動向が実際の志望動向を反映しているとは限らないため、小社の独自調査による説明会参加状況も合わせて見ていきます。また千葉県と茨城県の公立中高一貫校はすでに出願を終了しているので、確定している応募者数をお伝えします。

① 東京の公立中高一貫校

  ’13 ’12 前年比
都立桜修館 189 189 100%
263 278 95%
都立大泉 97 103 94%
96 133 72%
都立小石川 272 284 96%
235 284 83%
都立立川国際 37 44 84%
62 63 98%
都立白鴎 116 167 69%
171 218 78%
都立富士 65 75 87%
86 92 93%
都立三鷹 93 98 95%
91 113 81%
都立南多摩 57 58 98%
65 59 105%
都立武蔵 101 119 85%
62 104 60%
都立両国 156 150 104%
148 159 93%
区立九段 207 192 108%
248 223 111%

1期生が東大4名などすばらしい大学合格実績を出した都立桜修館(目黒区)は今春入試の応募者が男子37%増、女子は43%増と大人気となり難易度も上昇しました。3回の説明会参加者は総数で1,996→2,060名と3%増です。11月の志望者数前年比は男子が前年と同じですが、女子は明らかに敬遠されて5%減です。2期生の大学実績も東大5名、京大2名、一橋大1名、東工大4名など好調なため、応募者数が増えなくても私立上位校併願者が増え上位層が厚くなっている可能性があり要注意です。

この春創立70周年記念事業の新校舎が完成した都立大泉(練馬区)は12月にグラウンドも完成しました。11月模試では志望者数前年比が男子6%減、女子28%減ですが、10月の説明会参加者数は前年とほぼ同数でした。11月の参加者数は非公表ですが10月の人数から見て、模試志望者数の減少は実際の志望動向を反映していないようです。おそらく実際の志望者数は前年並みか微減ではないでしょうか。

旧制府立五中以来の名門校都立小石川(文京区)は都内の公立中高一貫校で最も入学難易度が高く、御三家などの私立難関校との併願受験者が多く、そのため今春は男子の辞退者が多数出ています。今春卒業した2期生は158名で、大学合格実績は1期生より格段に良くなっており、東大5名を含め国公立大129名、そのうち現役は76名です。11月模試の志望者数は男子が4%減、女子が17%減と男女とも減っていますが、伝統的に理系に強いこともあり男子の上位層は増えていて、減っているのは男女ともに主にチャレンジ層です。また10月、11月と2回行われた説明会参加者総数は、男女の内訳はわかりませんが 8%増で、男子の応募者は増える公算大でしょう。応募者の増減にかかわらず難易度が上昇する可能性があり要注意です。

都立白鴎(台東区)は11月模試の志望者は男子31%減、女子22%減と大幅に減っていますが10月、11月の説明会参加者数は4,039→3,970名で2%減、11月説明会での願書配布数は1,321→1,227名で7%減(願書の配布は年明けまで)ですから、模試志望者の大幅減は実勢を反映しておらず、減少しても7%前後ではないでしょうか。

公立中高一貫校では初年度入試で多くの受検生を集め、6倍から10倍前後までの高倍率となり、2年目からは徐々に減っていくのが通例です。ところが都立富士(中野区)では充分な開校準備ができず、広報活動も不十分なまま開校したため、例外的に応募者が少なく倍率も3.5倍と低かったのですが、開校直後に着任した久永哲雄校長が精力的に中高一貫校としての体制と内部充実に努めて、2年目、3年目、4年目と他校とは逆に応募者が増え続けました。さすがに3年連続で増えたのでそろそろ落ち着いてくる頃ですが、11月模試の志望者は男子13%減、女子7%減となっています。しかし説明会参加者総数は1,160→1,152名とほとんど前年並みですから、これが実際の志望動向を反映しているものと思われ、実際の応募者は前年並みまたは微減となる可能性が高いでしょう。

都立三鷹(三鷹市)は11月模試の志望者は男子5%減、女子19%減ですが、京王線沿線、中央線沿線での人気は高く説明会参加者総数は3,400→3,593名と3%弱増えています。やはり富士と同じように模試の志望者数が実際の志望動向を反映していないようで、入試では応募者がやや増加する可能性(サッカー人気もあり特に男子)が高いでしょう。

都立両国
都立両国
旧制府立三中以来の名門校都立両国(墨田区)は2012年春に附属中学の1期生が卒業し東大3名など大学合格実績が伸び、2013年入試の応募者は男子が前年並みでしたが、女子は460→515名と12%増となりました。さらに今春卒業した2期生では東大3→5名、京大0→1名、一橋大1→3名、東工大4→5名、東北大2→3名、北大0→3名、筑波大5→10名、東京外語大1→6名など難関国公立大の実績を大きく伸ばしています。(196名の卒業生で国公立大現役合格者69名、国公立大現役合格率35%は都立高校中1位。現役進学率も約8割と都立上位校の中では非常に高い)11月の志望状況は今春入試とは逆に男子が増え、今春の応募者増、倍率アップで敬遠された女子は減っています。志願者のみを対象とした11月の説明会参加は973→1,112世帯で14%増でしたから、男女の内訳はわかりませんが実際の応募者数はかなり増えるものと思われます。また公立志向の強い地域ですが、上記の実績によって私立上位校の併願者が増える可能性があります。

都内11校で唯一男女ともに志望者数前年比が上がっているのが千代田区立九段です。11月の説明会で配布された願書は1,100部で、前年は1,000部強でしたからやや増えています。適性検査を受検して入学した2回目の学年が卒業し、東大2名、一橋大2名、東工大3名、東北大2名、筑波大10名、早慶上智大51名など大学合格実績が飛躍的に伸びて人気が急上昇しているようです。他の都立中高一貫校と異なり区立のため区内枠Aと区外枠Bがあり、それぞれ定員が男女40名ずつです。区内の小学校は8校で12歳人口は410人(2013年12月1日現在、外国人を除く)しかいないため、増えているのは主に区外在住の受験生と思われ、Bは倍率上昇、難化の可能性が高いでしょう。

② 神奈川の公立中高一貫校

  ’13 ’12 前年比
県立相模原 112 150 75%
157 144 109%
県立平塚 26 37 70%
25 31 81%
横浜市立南 109 139 78%
153 234 65%

県立相模原(相模原市、なおこちらは中等教育学校で県立相模原高校とは別の学校)は模試の志望者数前年比が男子25%減、女子は9%増と大きく男女で志望動向が異なります。8月の説明会参加者数は3,038→2,429名と大幅減ですが、これは今年から6年生限定にしたためです。11月は2回実施され合計で3,199→2,748名と14%減(男女の内訳不明)でしたから総数として応募者が減ることは間違いなさそうです。おそらく男子が10%以上減って、女子は10%前後増える可能性が高そうです。

県立平塚(平塚市)は地域柄で公立一本の受検生が多く、私立中受験者が多い公開模試を受ける受検生が少ないため模試データはあまり参考になりません。8月と11月に行われた説明会参加者数は合計で約5,500→約5,000名と減っています。これから見ると実際の応募者は1割程度減る可能性があるでしょう。

横浜市立南高附
横浜市立南高附
開校3年目の横浜市立南高附(横浜市港南区)は開校初年度が11倍。2年目はチャレンジ層が減って少し下がりましたが、それでも10倍と言う高倍率でした。また2期生は私学併願者が非常に多くなり高学力層が増えています。模試の志望者数前年比は男子22%減、女子35%減と大幅な減少です。しかし12月中旬までの願書配布数が1,700部を超えていて12月末には1,800部前後になりそうで、前年は最終の願書配布数が1,899部でしたから実際の応募者は5%前後の減少でしょう。模試データでは志望人数は減っていますが上位層が増えていて難易度上昇の可能性大です。

2014年4月開校の川崎市立川崎高附(川崎市川崎区)は新設校のため上記データには入っていませんが、11月模試志望者男女合わせて50名強ですから横浜市立高附初年度のような大規模な入試にはならないでしょう。

なお横浜市の林文子市長が9月13日の市議会で「なるべく早期に横浜市立サイエンスフロンティア高校(YSFH)を中高一貫校化して整備するための具体的な検討を開始したい」と表明しました。2009年に開校した横浜市立サイエンスフロンティア高校(横浜市鶴見区)は横浜市が100億円近い建設資金と多くの人材を投入して設立した理数科の高校で、昨年卒業した1期生は東大3名を含め国公立大に63名、今春卒業した2期生は東大3名、東工大6名、東北大4名、京大1名、名大2名、九大1名、筑波大2名のほか宮崎大、弘前大、群馬大の医学部に各1名など国公立大に105名(現浪計)を出しています。開校4年目にしてこの実績は公立高校としては異例ともいえる高いレベルで、市内で2校目の公立中高一貫校として開校すれば間違いなく大注目校になります。横浜市立南高附の成功が後押ししているものと思われます。開校時期は決まっていませんが、早ければ2017年あたりではないかと言われています(林市長の任期と関係するようです)。

③ 千葉の公立中高一貫校

県立千葉
県立千葉
全国公立中高一貫校で最難関の県立千葉(千葉市中央区)は11月模試の志望者数前年比は男子11%減、女子2%増ですが、入試日程が首都圏で最も早く、すでに1次検査も終わっていますから(1次の合格発表、および2次検査はこれから)、ここまでの確定数値をお伝えします。(( )内の数字は前年度)

  応募者数 受験者数 応募倍率
県立千葉1次 545(589) 543(581) 13.6(14.7)
470(488) 464(486) 11.8(12.2)

応募者数は男子7%減、女子4%減で、実受検者は男子7%減、女子5%減です。ただしこの学校は応募者の減少が続いていますが、減っているには明らかにチャレンジ層でむしろ難易度はジワジワと上がっていますから、今年も入試の緩和は期待できません。

今春中学1期生が卒業した千葉市立稲毛高附(千葉市美浜区)は、高校入学者だけだった昨年に比べて国公立大などで実績を大きく伸ばしました。11月模試の志望者数前年比は男子7%減、女子8%増ですが、すでに出願が終了しているので確定応募者数をお伝えします。(( )内の数字は前年度)

  応募者数 応募倍率
市立稲毛 343(374) 13.6(14.7)
401(454) 10.0(11.4)

応募者数は男子8%減、女子12%減で、なぜか女子は模試の数字と大きくずれています。
なお応募者が減っても、1期生の実績から上位生が増えている可能性があり、まだまだ首都圏の公立中高一貫校のなかでは高倍率の学校ですから、あまり易化を期待しない方が良いでしょう。

④ 埼玉の公立中高一貫校

’13 ’12 前年比
県立伊奈学園 57 47 121%
*女子はデータ件数が少ないので割愛します。
さいたま市立浦和 86 132 65%
120 136 88%

埼玉県立伊奈学園(北足立郡伊奈町)は今春1次の抽選を廃止しました。抽選に期待していた層が受検を取りやめ予想通り応募者が大きく減りましたが、常識的にはその反動で2014年入試では増加しそうなものです。模試データが不完全で女子の志望動向はまったくわかりません。また2回実施していた説明会を8月の1回のみにしたため昨年の参加者数との比較もできず入試を予想するのは難しいのですが、男子の模試データでは志望者数前年比21%増ですからおそらく男女とも増えるであろうと予想されます。また抽選がなくなって受検準備をしっかりしてきた層が増えていると思われ、そうであればボーダーラインのあたりが厳しくなるかもしれません。

さいたま市立浦和
さいたま市立浦和
さいたま市立浦和(さいたま市浦和区)も今春中学の1期生が卒業しました。内進生のみの大学合格実績が公表されていて、東大、一橋大、東工大、東北大、東京外語大が各1名、お茶の水女子大3名、筑波大3名、埼玉大6名など国公立大計28名、私大では早慶上智大38名、MARCH大68名などです。中学は1学年80名ですから1期生としては大変良い結果と言えます。これだけの好成績だったのですから志望者が増えてもよさそうなものですが、11月模試の志望者数前年比は男子35%減、女子12%減と大きな減少です。これは検査日(入試日)が、1次 1/12→1/11 2次 1/19→1/18と変わり、1次検査日が県内で最有力の栄東(東大Ⅰ)、開智の2校と入試日が重複したためです。栄東、開智ともに市立浦和より入学レベルが高い学校ですから、市立浦和の上位層が影響を受けている可能性が高く、特に男子は減少幅が大きいので難易度の低下もありそうです。

⑤ 茨城の公立中高一貫校

茨城県には今春開校した県立古河を含めて3校の県立中高一貫校があり、すでに出願が締め切られています。以下に確定応募者数を掲載しておきます。(( )内の数字は前年度)

県立並木 333(370) 10%減
368(418) 12%減
県立日立第一 158(205) 23%減
152(196) 22%減
県立古河 104(149) 30%減
157(177) 11%減

筑波学園都市という文教地域に立地する県立並木(つくば市)は2014年3月に1期生が卒業します。男子の応募者は338→369→370名とこの2年間増え続けていましたが、11%減で333名と2011年の水準に戻りました。女子は今春355→418名と大幅に増えましたから12%減はその反動でしょう。

2012年開校の県立日立第一高附(日立市)の母体校県立日立第一高は県北地区の名門校で、今春の卒業生317名で国公立大現役合格125名と県内有数の進学校です。公立一貫校は開校2年目に応募者が大きく減ると言われていますが、今春入試で男子が8%減、女子は6%減と比較的小幅な減少でした。しかし3年目は男女とも20%を超える減少です。ただし地域事情や交通事情からみて上位層が他校へ回ることは考えにくく減っているのは主にチャレンジ層でしょう。

今春開校した県立古河(古河市)は母体校のレベルや地域事情などによって、先行する2校に比べ地味なスタートを切りました。初年度の応募者は男子149名、女子177名で実質倍率は男子2.4倍、女子2.9倍と他の2校の5倍前後よりかなり低くなっています。2年目は男子30%減、女子11%減で特に男子は大きく減っていますが、受検準備をしっかりしてきた層は減っていないと思われ、ボーダーが下がることはあまり期待できないでしょう。

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[次回予告]「2014年中学入試速報! 12月千葉・茨城推薦入試、海外帰国生入試」

2014年中学入試の前哨戦ともいうべき千葉・茨城の推薦入試が12月1日から始まり、すでに多くの学校では合格発表まで終わっています。また海外帰国生入試も12月から(一部11月から)始まっています。次回は12月入試の判明分についてお伝えしていきます。

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