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第56話 「2014年中学入試速報! -東京の私立中入試 (1) 男子校-」
2014年4月15日
第53話では12月から始まった千葉・茨城の推薦入試と海外帰国生入試、第54話では年が明けて始まった埼玉、そしてこの第55話では千葉・茨城の一般入試の入試状況を見てきました。
第56話からは男子校、女子校、共学校の3回に分けて東京の注目される私立中の入試状況をお伝えしていきます。まず最初には男子校の入試状況を見ていきます。なお学校名の右の数字は2013年→2014年の応募者(前年比)と倍率、以下同様です。倍率は「合格者/受験者」による実質倍率で、合格者は正規合格者で繰り上げ合格者を含めずに算出しています。
1.男子校
まず最上位の4校の応募状況を見てみます。
開成(荒川区)の応募者が減っています。ここ数年最上位生の開成一極集中が続いていましたが、今年は麻布や慶應などを選択する動きが目立っていました。偏差値や東大合格実績だけではなく幅広く見渡してわが子にあった学校選びをしていこうということでしょうか。東大合格者がこの2年間で203→170→158名と減っていますが、校長の柳沢幸雄先生(開成OBで、ハーバード大学で教鞭をとり、のちに東京大学教授、東大を定年退職後に母校の校長に就任)が積極的に進めている北米を中心とした「海外の大学への進学」が結果を出しはじめました(2014年はハーバード大1名、プリンストン大1名など現役で5名)。
麻布(港区)は不祥事のため秋の運動会が中止となりましたが、その後の対応が麻布らしいと評価を上げた(?)のか影響はほとんどなく前年並みの入試でした。

武蔵 都内最上位男子校で最も注目されたのが武蔵(練馬区)です。応募者は28%増の569名で予想以上の増加でした。東大など難関大合格実績の回復に加え、広報活動を強化し自由でアカデミックな武蔵の魅力をアピールするとともに、グローバル化に対応する取り組みなどによって支持を集めているようです。
駒場東邦(世田谷区)は2013年春の東大合格実績が69→59名と下がったこともあったのか、応募者が2012年に15%増えたあと724→701→652名と2年連続で減少が続いています。武蔵へ回った受験生もいたものと思われます。
上記の4校に続くのが次の4校です。

早稲田大学高等学院中等部 開校して5回目の入試となる早稲田大学高等学院中等部(練馬区)の応募者増は、明らかにこの3年間の応募者が536→472→352名と減少が続いた反動です。第一志望者が多いので手続き率が高く、繰り上げ合格はわずか2名だったようです。なおこの3月28日に文科省からSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)に指定されています。(全国で56校を指定)
早稲田(新宿区)は早大系列校ですが、ほとんどが早大に進学する早大学院や早稲田実業と異なり早大進学と他大学進学がほぼ半数ずつの学校です。1回の応募者減は、東大合格者が23→13名と減ったことや、前記の武蔵および同じ早大系列の早大学院との競合が主な原因でしょう。
海城(新宿区)は難関国公立大や医学部の実績が伸びて、この2年間応募者増が続き難易度がトップグループに近づいています。そのため今年の1回は敬遠されたのか応募者が17%減でした。また早大学院との競合はほとんどないと思われますが、今年は武蔵と相当に競合したものと思われます。
のびやかで自由な校風ながら、かつてはのんびりした雰囲気から「芝温泉」などと言われていた芝(港区)の人気上昇と応募者の増加も注目されます。2011年からの3年間で東大合格者が5→14→16名、早慶上智大は206→285→265名と大きく伸びて高い評価を得ているものと思われます。
以上のように今年の男子上位校の入試では武蔵と早大学院という練馬区の男子校2校の応募者増が相当な影響を与えたようです。次にこれらの学校に続く5校を見ていきます。

本郷 この5校で最も注目されるのが本郷(豊島区)です。長いこと2日校として御三家などの1日入試校の併願校として多くの受験生を集めていましたが、いよいよ満を持して多くの有力校がひしめく2月1日に参入です。(1回2/2→2/1、2回2/3→2/2、3回は2/5のまま)2月1日の応募者が300名を超えるかどうかが1つのポイントでしたが、結果は308名。減員した2日の応募者も9%増、5日も23%増で3回の合計でも予想に反し前年を4%上回る1,661名の受験生を集めました。特に1日の1回で308名の応募者があったということは、そのまま他校の応募者減につながっています。入試レベルが近い上記5校のうち本郷を除く4校の1日の応募者は4校とも減っていて、4校の減少の合計が274名ですから、明らかにこの4校は本郷のダイレクトな影響を受けているものと思われます。
巣鴨(豊島区)は現在新校舎建設中のため北区浮間の仮校舎です。仮校舎住まいのハンディと東大合格者が41→25名と減少したのに加え、本郷の影響でⅠ期・Ⅱ期ともに応募者減ですが、今年の8月に完成予定の新校舎に9月には移る予定ですので、2015年入試では応募者数を回復する可能性があります。
城北(板橋区)は2013年に東大合格者が16→12名と減ったのと、武蔵や本郷の影響もあって応募者が3回の入試すべてで減っていますが、応募者の減少は主にチャレンジ層のようで、1回・2回は合格者を絞って倍率、難易度ともほとんど変わっていません。
城南地区にある攻玉社(目黒区)、世田谷学園(世田谷区)は両方とも応募者の減少が大きくなっています。これは本郷の影響だけでなく両校がここ数年で急激に難易度を上げてきたため、チャレンジ層に敬遠されたこともあるようです。
次は大学付属の3校です。
このうち東京都市大付は9割以上が他大学進学で実質的に進学校です。学習院は併設大学と他大学への進学がほぼ半々の半付属校、立教池袋は8割以上が併設大学に進学しています。

東京都市大付 東京都市大付(世田谷区)は中堅レベルの男子校で最も勢いのある学校で、応募者数が5年連続で増加、また4年連続で応募総数が都内最多となっています。応募者は帰国生含めて合計で9%増の5,246名、受験者では13%増の2,756名です。駒場東邦、武蔵、早稲田、芝などのトップレベルとの併願者が増えて受験者のレベルが上がっています。ただし手続き率が下がったために、繰り上げが50名ほど出ています。なお新設の海外帰国生入試は応募者が146名、合格者87名と好調なスタートを切っています。
学習院(新宿区)は東大0→4名、一橋大0→4名など難関国立大の実績が回復し、応募者が大幅に増加し倍率もアップし難易度が1回・2回とも上昇しています。
立教池袋(豊島区)は定員を変えていませんが、前年から実質3クラスから4クラス募集に増員しています。そのため1回の応募者が14%増えていますが、合格者も前年より46名増やし、さらに28名の繰り上げ合格を出しているので、実質倍率は2.0→1.7倍に下がっています。2回は2科と自己アピール面接で8%の応募者増で合格者をほぼ前年並みとし倍率が4.5→5.6倍に上昇しています。
このほか注目されるところを見ると
暁星(千代田区)は都内では数少ないカトリックの男子校です。中学からの募集は75名と少ないため(併設小学校から100名強が進学)、2月3日のみの1回入試です。2013年の東大合格者が9→17名と伸び、医学部や歯学部への進学者が多いことでも注目され、応募者が341→392名と15%増となり倍率も2.4→2.8倍と上昇しています。追加合格は前年より2名多い14名でした。
高輪(品川区)はここ数年好調な入試で、2014年入試も応募総数では前年を上回っていますが、第一志望者が多い2月1日のAの応募者が8%減です。これはチャレンジ層に敬遠されたためでしょう。2日のBと2日午後の算数1科入試は応募者が増えていて、上位校との併願者は増えているようです。

成城 成城(新宿区)は2013年4月に就任した男子校で初の女性校長(全国初?)の栗原卯田子先生(前都立小石川中等教育学校長)が着任早々学校改革に取り組み、入試も2回から3回に増設。校長自ら先頭に立っての広報活動とともに新校舎人気もあって応募総数が90%増となっています。1回・2回は難易度も上がっているようです。
現在北区赤羽の仮校舎にある京北は大々的な学校改革が進行中で、2015年4月に文京区白山の新校地に移転、同時に共学化し、校名も東洋大学京北に変わる予定です。この学校改革を陣頭指揮している石坂康倫校長は都立桜修館中等教育学校を立ち上げ準備の1年間を含め5年間校長を務め、その後都立日比谷高校校長を3年間務めて2012年3月に定年で退職し、4月に京北に着任された先生です。すでに前倒しで新カリキュラムが導入され共学進学校への歩みが始まっています。今春入試は男子校として最後の募集ですが、期待感からか試験回が5回→4回と減っているのにもかかわらず、応募総数が232→357名と53%増、受験総数では87→163名と87%増で、公立一貫校など上位校との併願者が増えているようです。2015年入試は共学化と新校舎で人気がさらに上がることは間違いありません。
第56話からは男子校、女子校、共学校の3回に分けて東京の注目される私立中の入試状況をお伝えしていきます。まず最初には男子校の入試状況を見ていきます。なお学校名の右の数字は2013年→2014年の応募者(前年比)と倍率、以下同様です。倍率は「合格者/受験者」による実質倍率で、合格者は正規合格者で繰り上げ合格者を含めずに算出しています。
1.男子校
開成 | 麻布 | 武蔵 | 駒場東邦 |
早稲田大学高等学院中等部 | 早稲田 | 海城 | |
芝 | 本郷 | 巣鴨 | 城北 |
攻玉社 | 世田谷学園 | 東京都市大付 | |
学習院 | 立教池袋 | 暁星 | 高輪 |
成城 | 京北 |
まず最上位の4校の応募状況を見てみます。
開成 | 1,257→1,186名(94%) | 3.1→2.8倍 |
麻布 | 874→875名(100%) | 2.2→2.2倍 |
武蔵 | 443→569名(128%) | 2.5→3.1倍 |
駒場東邦 | 701→652名(92%) | 2.4→2.3倍 |
開成(荒川区)の応募者が減っています。ここ数年最上位生の開成一極集中が続いていましたが、今年は麻布や慶應などを選択する動きが目立っていました。偏差値や東大合格実績だけではなく幅広く見渡してわが子にあった学校選びをしていこうということでしょうか。東大合格者がこの2年間で203→170→158名と減っていますが、校長の柳沢幸雄先生(開成OBで、ハーバード大学で教鞭をとり、のちに東京大学教授、東大を定年退職後に母校の校長に就任)が積極的に進めている北米を中心とした「海外の大学への進学」が結果を出しはじめました(2014年はハーバード大1名、プリンストン大1名など現役で5名)。
麻布(港区)は不祥事のため秋の運動会が中止となりましたが、その後の対応が麻布らしいと評価を上げた(?)のか影響はほとんどなく前年並みの入試でした。

武蔵 都内最上位男子校で最も注目されたのが武蔵(練馬区)です。応募者は28%増の569名で予想以上の増加でした。東大など難関大合格実績の回復に加え、広報活動を強化し自由でアカデミックな武蔵の魅力をアピールするとともに、グローバル化に対応する取り組みなどによって支持を集めているようです。
駒場東邦(世田谷区)は2013年春の東大合格実績が69→59名と下がったこともあったのか、応募者が2012年に15%増えたあと724→701→652名と2年連続で減少が続いています。武蔵へ回った受験生もいたものと思われます。
上記の4校に続くのが次の4校です。
早大学院 | 352→410名(116%) | 2.6→2.9倍 | |
早稲田 | 1回 | 832→724名(86%) | 3.2→2.2倍 |
2回 | 1,262→1,128名(89%) | 4.0→2.7倍 | |
海城 | 1回 | 577→481名(83%) | 3.3→3.0倍 |
2回 | 1,244→1,204名(97%) | 3.0→3.1倍 | |
芝 | 1回 | 637→732名(115%) | 3.1→3.6倍 |
2回 | 1,383→1,448名(105%) | 3.2→3.5倍 |

早稲田大学高等学院中等部 開校して5回目の入試となる早稲田大学高等学院中等部(練馬区)の応募者増は、明らかにこの3年間の応募者が536→472→352名と減少が続いた反動です。第一志望者が多いので手続き率が高く、繰り上げ合格はわずか2名だったようです。なおこの3月28日に文科省からSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)に指定されています。(全国で56校を指定)
早稲田(新宿区)は早大系列校ですが、ほとんどが早大に進学する早大学院や早稲田実業と異なり早大進学と他大学進学がほぼ半数ずつの学校です。1回の応募者減は、東大合格者が23→13名と減ったことや、前記の武蔵および同じ早大系列の早大学院との競合が主な原因でしょう。
海城(新宿区)は難関国公立大や医学部の実績が伸びて、この2年間応募者増が続き難易度がトップグループに近づいています。そのため今年の1回は敬遠されたのか応募者が17%減でした。また早大学院との競合はほとんどないと思われますが、今年は武蔵と相当に競合したものと思われます。
のびやかで自由な校風ながら、かつてはのんびりした雰囲気から「芝温泉」などと言われていた芝(港区)の人気上昇と応募者の増加も注目されます。2011年からの3年間で東大合格者が5→14→16名、早慶上智大は206→285→265名と大きく伸びて高い評価を得ているものと思われます。
以上のように今年の男子上位校の入試では武蔵と早大学院という練馬区の男子校2校の応募者増が相当な影響を与えたようです。次にこれらの学校に続く5校を見ていきます。
巣鴨 | Ⅰ期 | 322→296名(92%) | 2.4→2.2倍 |
Ⅱ期 | 682→637名(93%) | 3.0→2.7倍 | |
城北 | 1回 | 497→453名(91%) | 3.2→3.2倍 |
2回 | 953→903名(95%) | 1.8→1.8倍 | |
3回 | 468→405名(87%) | 6.3→5.0倍 | |
本郷 | 2/1 | 0→308名(--) | **→2.3倍 |
2/2 | 635→691名(109%) | 1.6→1.9倍 | |
2/3 | 424→0名(--) | 2.0→**倍 | |
2/5 | 540→662名(123%) | 2.7→4.1倍 | |
*入試日変更のため同じ試験日で比較 | |||
攻玉社 | 1回 | 371→292名(79%) | 2.1→1.5倍 |
2回 | 631→534名(85%) | 2.3→1.7倍 | |
特選 | 360→275名(76%) | 3.5→4.4倍 | |
世田谷学園 | 1次 | 357→232名(65%) | 3.6→2.4倍 |
2次 | 909→696名(77%) | 2.4→1.8倍 | |
3次 | 797→559名(70%) | 4.5→2.7倍 |

本郷 この5校で最も注目されるのが本郷(豊島区)です。長いこと2日校として御三家などの1日入試校の併願校として多くの受験生を集めていましたが、いよいよ満を持して多くの有力校がひしめく2月1日に参入です。(1回2/2→2/1、2回2/3→2/2、3回は2/5のまま)2月1日の応募者が300名を超えるかどうかが1つのポイントでしたが、結果は308名。減員した2日の応募者も9%増、5日も23%増で3回の合計でも予想に反し前年を4%上回る1,661名の受験生を集めました。特に1日の1回で308名の応募者があったということは、そのまま他校の応募者減につながっています。入試レベルが近い上記5校のうち本郷を除く4校の1日の応募者は4校とも減っていて、4校の減少の合計が274名ですから、明らかにこの4校は本郷のダイレクトな影響を受けているものと思われます。
巣鴨(豊島区)は現在新校舎建設中のため北区浮間の仮校舎です。仮校舎住まいのハンディと東大合格者が41→25名と減少したのに加え、本郷の影響でⅠ期・Ⅱ期ともに応募者減ですが、今年の8月に完成予定の新校舎に9月には移る予定ですので、2015年入試では応募者数を回復する可能性があります。
城北(板橋区)は2013年に東大合格者が16→12名と減ったのと、武蔵や本郷の影響もあって応募者が3回の入試すべてで減っていますが、応募者の減少は主にチャレンジ層のようで、1回・2回は合格者を絞って倍率、難易度ともほとんど変わっていません。
城南地区にある攻玉社(目黒区)、世田谷学園(世田谷区)は両方とも応募者の減少が大きくなっています。これは本郷の影響だけでなく両校がここ数年で急激に難易度を上げてきたため、チャレンジ層に敬遠されたこともあるようです。
次は大学付属の3校です。
東京都市大付 | 1回 | 1、272→1、391名(109%) | 1.9→1.9倍 |
2回 | 955→1,016名(106%) | 4.3→3.4倍 | |
3回 | 1,159→1,218名(105%) | 3.4→4.6倍 | |
4回 | 1,423→1,475名(104%) | 4.6→5.5倍 | |
学習院 | 1回 | 312→444名(142%) | 1.7→2.4倍 |
2回 | 350→459名(131%) | 1.9→3.5倍 | |
立教池袋 | 1回 | 266→302名(114%) | 2.7→2.1倍 |
2回 | 168→181名(108%) | 6.6→6.9倍 |
このうち東京都市大付は9割以上が他大学進学で実質的に進学校です。学習院は併設大学と他大学への進学がほぼ半々の半付属校、立教池袋は8割以上が併設大学に進学しています。

東京都市大付 東京都市大付(世田谷区)は中堅レベルの男子校で最も勢いのある学校で、応募者数が5年連続で増加、また4年連続で応募総数が都内最多となっています。応募者は帰国生含めて合計で9%増の5,246名、受験者では13%増の2,756名です。駒場東邦、武蔵、早稲田、芝などのトップレベルとの併願者が増えて受験者のレベルが上がっています。ただし手続き率が下がったために、繰り上げが50名ほど出ています。なお新設の海外帰国生入試は応募者が146名、合格者87名と好調なスタートを切っています。
学習院(新宿区)は東大0→4名、一橋大0→4名など難関国立大の実績が回復し、応募者が大幅に増加し倍率もアップし難易度が1回・2回とも上昇しています。
立教池袋(豊島区)は定員を変えていませんが、前年から実質3クラスから4クラス募集に増員しています。そのため1回の応募者が14%増えていますが、合格者も前年より46名増やし、さらに28名の繰り上げ合格を出しているので、実質倍率は2.0→1.7倍に下がっています。2回は2科と自己アピール面接で8%の応募者増で合格者をほぼ前年並みとし倍率が4.5→5.6倍に上昇しています。
このほか注目されるところを見ると
暁星 | 341→392名(15%増) | 2.4→2.8倍 | |
高輪 | A | 416→382名(92%) | 2.9→2.7倍 |
B | 626→651名(104%) | 2.9→3.0倍 | |
算数 | 383→446名(116%) | 3.0→3.7倍 | |
C | 549→515名(94%) | 4.8→3.9倍 | |
成城 | 1回 | 355→467名(132%) | 2.4→2.8倍 |
2回 | 797→1,009名(127%) | 2.1→3.0倍 | |
3回 | 0→711名(--) | **→5.7倍 | |
京北 | 1回 | 42→78名(186%) | 1.2→1.1倍 |
2回 | 49→94名(192%) | 1.2→1.1倍 | |
3回 | 43→89名(207%) | 5.0→1.2倍 | |
4回 | 46→96名(209%) | 3.0→1.6倍 | |
5回 | 52→0名(--) | 1.7→**倍 |
暁星(千代田区)は都内では数少ないカトリックの男子校です。中学からの募集は75名と少ないため(併設小学校から100名強が進学)、2月3日のみの1回入試です。2013年の東大合格者が9→17名と伸び、医学部や歯学部への進学者が多いことでも注目され、応募者が341→392名と15%増となり倍率も2.4→2.8倍と上昇しています。追加合格は前年より2名多い14名でした。
高輪(品川区)はここ数年好調な入試で、2014年入試も応募総数では前年を上回っていますが、第一志望者が多い2月1日のAの応募者が8%減です。これはチャレンジ層に敬遠されたためでしょう。2日のBと2日午後の算数1科入試は応募者が増えていて、上位校との併願者は増えているようです。

成城 成城(新宿区)は2013年4月に就任した男子校で初の女性校長(全国初?)の栗原卯田子先生(前都立小石川中等教育学校長)が着任早々学校改革に取り組み、入試も2回から3回に増設。校長自ら先頭に立っての広報活動とともに新校舎人気もあって応募総数が90%増となっています。1回・2回は難易度も上がっているようです。
現在北区赤羽の仮校舎にある京北は大々的な学校改革が進行中で、2015年4月に文京区白山の新校地に移転、同時に共学化し、校名も東洋大学京北に変わる予定です。この学校改革を陣頭指揮している石坂康倫校長は都立桜修館中等教育学校を立ち上げ準備の1年間を含め5年間校長を務め、その後都立日比谷高校校長を3年間務めて2012年3月に定年で退職し、4月に京北に着任された先生です。すでに前倒しで新カリキュラムが導入され共学進学校への歩みが始まっています。今春入試は男子校として最後の募集ですが、期待感からか試験回が5回→4回と減っているのにもかかわらず、応募総数が232→357名と53%増、受験総数では87→163名と87%増で、公立一貫校など上位校との併願者が増えているようです。2015年入試は共学化と新校舎で人気がさらに上がることは間違いありません。
[次回予告] 「2014年中学入試速報!―― 東京の私立中入試 ② ―― 」
次回は今回の東京の男子校に続き東京の女子校の入試状況のレポートです。
東京の女子校は学校数が多いので、主要校の動向と注目される学校に絞ってお伝えしていきます。