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そうだったのか中学入試
「そうだったのか!中学入試-市進の中学受験情報ナビ-」は、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)の国立・私立入試と公立中高一貫校受験の入試情勢・偏差値などを塾ならではの視点で総合的にお伝えします。
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コラム「そうだったのか!中学入試」
トップページ > コラム「そうだったのか!中学入試」第51~60話 > 第58話 「2014年 中学入試速報! ― 東京の私立中入試(3) 共学校 ―」

第58話 「2014年 中学入試速報! ― 東京の私立中入試(3) 共学校 ―」

2014年6月12日

第56話、第57話と東京の男子校、女子校の入試状況をお伝えしてきましたが、今回が東京の最後、共学校の入試状況のレポートです。

東京では近年共学化された学校が多いのは周知のことです。最初に共学化をめぐる歴史的背景を見ておきましょう。戦前に設立された学校は公私を問わず男女別学でした。その中で明治期に設立された学校の多くが淘汰されて消えていく中で現在に至っている男女御三家など創立100年を超えるような伝統的な進学校はほとんどが男女別学です。100数十年の男子教育、女子教育の歴史の重みを持つ麻布、開成や雙葉、女子学院などの別学名門校が共学化するのはとても考えられません。

東京の公立は戦後共学校になり、私立でも戦後に設立された学校の多くは共学校としてスタートしています。なおほとんどの伝統校は23区内にあり、したがって別学校は23区内が多く、多摩地区は戦後設立された学校が多いため女子大付属などを除いて共学校が主力です。しかし中堅レベルの進学校の多くがここ20数年で共学化されているのはご承知の通りです。また女子大以外の大学付属校では早慶大、MARCH大などの主要大学の他、日大や東海大などの中堅大学の付属も一部を除きほとんどが共学校です。

今春も安田学園が男子校から共学化しましたが、2015年4月には東洋大京北、戸板、日本橋女学館の共学化が予定されています。

なお学校名の右の数字は2013年→2014年の応募者(前年比)と倍率、倍率は「合格者/受験者」による実質倍率で合格者は正規合格者で繰り上げ合格者を含めずに算出しています。またMは男子、Fは女子です。


3.共学校



(1)大学付属校

かつては大学付属校の人気は高く、早慶大やGMARCH大の付属は多くの応募者を集めていましたが、この数年「付属校ばなれ」とも思える有名大学付属校の応募者減少が続きました。ただ今年は前年に続き応募者が減った学校もありますが、昨年までの応募者減への反動、あるいは広報活動の強化などによって、増加に転じた学校もあり明暗を分けています。

まず早慶大系列の共学校を見ていきます。


慶應義塾中等部 1次 M 816→784名(96%) 2.1→1.9倍
F 444→386名(82%) 2.4→2.3倍
慶應義塾中等部 2次 M 262→241名(92%) 1.7→1.5倍
F 133→115名(86%) 2.5→2.2倍
早稲田実業学校 M 396→322名(81%) 3.6→2.8倍
F 227→176名(78%) 5.0→3.3倍

慶應義塾中等部
慶應義塾中等部

慶應義塾中等部(港区)の応募者は男子が3年連続の減、女子は前年微増でしたが、今春は18%の大幅減です。2段階選抜のため1次筆記試験の合格者が2次で面接と体育実技を受験しますが、気になるのは1次を合格しても2次試験を欠席する受験生が増えていることです。この3年間の2次欠席者数(男女計)は48→105→126名で、多少増えたというようなレベルを超えています。これは1次試験が2月3日で最終の2次合格発表が2月9日と遅いため、先に合格発表があって入学金を納めた開成、桜蔭などの進学校系の学校を選ぶ受験生が増えてきているからでしょう。また6年後の進路で国公立大学や海外の大学を視野に入れた学校選択をする家庭が増えているという事情もありそうです。そのためもあってか2015年入試では1次の合格発表以降の日程が3日短縮され、2次の合格発表が2月6日となります。なお慶應義塾普通部と慶應義塾湘南藤沢は神奈川の学校ですので次回でお話しします。

早稲田実業(国分寺市)の男子は前年応募者が微増でしたが、今年は同じ早大系で倍率が下がっている早大学院へ回った受験生が多かったのか応募者が19%減、女子は前年応募者が19%増となり倍率が3.6→5.0倍と急上昇した反動か応募者は22%の大幅減となり、合格者をやや増やして倍率も下がっています。繰り上げ合格は前年に続き出ていません。難易度は男女とも緩和しているようです。

次にMARCH大系の共学校を見ていきます。


明治大学付明治 1回 M 466→400名(86%) 2.8→3.1倍
F 349→358名(103%) 5.1→5.1倍
2回 M 419→351名(84%) 6.5→5.7倍
F 344→313名(91%) 5.2→5.5倍
明大中野八王子 1回 M 193→214名(111%) 2.3→2.7倍
F 169→149名(88%) 2.3→2.1倍
2回 M 229→222名(97%) 5.8→4.5倍
F 181→166名(92%) 4.8→2.8倍
青山学院 M 275→350名(127%) 2.3→2.8倍
F 427→447名(105%) 4.1→4.0倍
中央大学附属 1回 M 214→177名(83%) 2.5→2.1倍
F 176→166名(94%) 2.1→2.3倍
2回 M 217→206名 (95%) 3.7→3.5倍
F 204→198名(97%) 3.4→3.9倍
法政大学 1回 MF 266→293名(110%) 2.6→4.1倍
2回 MF 387→410名(106%) 3.1→3.8倍
3回 MF 321→481名(150%) 4.0→7.1倍

明大明治(調布市)は男子の応募者減が目立ちます。難易度が高くなってきたため、中位以下の層がおなじ明大系の男子校の明大中野や、本郷などの進学校系に回っている可能性が高そうです。2回は日曜日を避けて入試日を移動した青山学院との競合もあったものと思われます。ただし1回は合格者を絞り倍率は上昇しています。

明大中野八王子(八王子市)は逆に女子の応募者減が目立ち1回・2回とも倍率が下がっていますが、合格点や平均点を見ると女子は明大明治との併願者が増え受験生のレベルは上がっています。減っているのは主にチャレンジ層のようです。なお今春は合格最低点が2回の入試とも男女同点になっています。

青山学院
青山学院

青山学院(渋谷区)はこの2年間応募者が大きく減りましたが、今年は日曜日を避けて入試日を2月2日から3日に移動し、応募者が男子27%増、女子5%増となりました。入試日が1日遅くなったため、実際に3日に受験した受験生は第一志望層中心だったようで、合格者が男子143→106名、女子115→93名と絞り込まれ、男女とも倍率が上昇し難易度も回復しています。2015年は入試日が定位置の2月2日に戻りますが、女子学院、立教女学院、フェリス女学院などが1日の日曜を避けて2日入試となりますから、特に女子の応募者は減ることが予想されます。ただし上記の学校との併願者が減るかわりに、志望者がさらに第一志望者層中心になり合格者が絞られる可能性もあります。

中央大学附(小金井市)は開校5年目の入試ですが、3年連続の応募者減となりました。男子が11%減、女子は4%減と男子の減少が大きくなっています。男子上位層は応募者数を回復した早大学院、中位層はやはり応募者数が回復傾向の法政大学や成蹊に受験生が回った可能性が高そうです。

法政学院
法政大学

法政大学(三鷹市)は定員が男女別の学校が多い大学付属校では男女別定員がなく男女同一の合否判定です。他の大学付属校同様にここ数年応募者の減少が続きましたが、今年は3回の入試すべてで応募者が増え総数では16%増です。上記の表は男女合計の人数ですが、男女別に見ても2回の男子が微減だった以外は男女とも増加しています。3回は倍率が4.0→7.1倍に急上昇し厳しい入試となりました。なお主に明大系2校との競合によって繰り上げ合格が52名出ています。

つぎに日大系の付属校の入試状況をまとめておきます。


日本大学第一 1回 M 156→135名(87%) 1.4→1.3倍
F 89→106名(119%) 1.5→1.4倍
2回 M 186→166名(89%) 2.0→1.7倍
F 114→133名(117%) 1.6→1.6倍
3回 M 27→79名(293%) 1.3→2.0倍
F 17→72名(424%) 1.3→1.8倍
日本大学第二 1回 M 232→220名(95%) 2.2→2.1倍
F 89→106名(119%) 1.9→1.8倍
2回 M 186→166名(89%) 2.2→2.5倍
F 114→133名(117%) 2.3→1.8倍
日本大学第三 1回 M 204→238名(117%) 1.6→1.2倍
F 102→98名(96%) 1.5→1.5倍
2回 M 318→324名(102%) 1.7→1.4倍
F 176→157名(89%) 1.3→1.3倍

日本大学第一(墨田区)はすぐ近くの安田学園の共学化で女子募集が始まりましたが、意外なことに女子の応募者が増えています。

日本大学第二(杉並区)は男女で応募状況が異なりますが、男子の減少は明大中野や法政大学との競合によるものでしょうか。

日本大学第三(町田市)は男子の応募者が増えていますが。合格者も増やしているために倍率は下がっています。

(2)進学校

東京のトップクラスの進学校は男女御三家などほとんどが別学校です。ここで共学の進学校系上位校をみていきますが、併設大学のある学校でも実質的に他大学進学が主流になっている学校も含めて見ていきます。


渋谷教育学園渋谷 1回 M 159→128名(81%) 3.0→2.5倍
F 296→275名(93%) 3.3→3.2倍
2回 M 316→322名(102%) 2.0→1.9倍
F 290→336名(116%) 3.0→4.0倍
3回 M 288→262名(91%) 4.9→4.0倍
F 349→301名(86%) 14.2→9.2倍
国学院久我山 1回 M 215→184名(86%) 3.0→2.5倍
F 76→79名(104%) 3.3→3.2倍
ST1回 M 423→410名(97%) 1.6→2.1倍
F 237→202名(85%) 1.3→1.4倍
2回 M 448→383名(85%) 2.3→2.0倍
F 174→185名(106%) 2.2→2.0倍
ST2回 M 290→279名(96%) 2.5→3.5倍
F 136→153名(113%) 1.3→1.8倍
3回 M 272→230名(85%) 5.0→1.6倍
F 137→143名(104%) 1.6→1.8倍
広尾学園 1回 MF 354→325名(92%) 3.6→3.1倍
2回 MF 423→410名(97%) 2.5→2.5倍
インター1回 MF 233→232名(100%) 2.3→2.0倍
医進・サイエンス MF 388→437名(113%) 2.5→2.8倍
3回 MF 573→586名(85%) 4.3→4.5倍
インター2回 MF 199→210名(106%) 2.8→2.2倍

渋谷教育学園渋谷(渋谷区)は1回、3回の応募者が男女ともかなり減っていますが、男子は本郷、女子は女子学院との競合があったようです。

国学院久我山(杉並区)は応募者の増加が続いたSTクラスが微減、一般クラスも男子の減少が目立ちます。男子は東京都市大付、女子は吉祥女子との競合が強くなっているようです。

広尾学園(港区)は共学化以来右肩上がりで応募者増と難易度の上昇を続けて今や共学上位校の仲間入りです。前年は応募総数が2%減、今年は1%増と応募人数は落ち着いてきています。

その他の中堅共学校についてはいくつかの注目される学校を見ていきます。

安田学園
安田学園

前年9月に9階建の中学棟が完成し今春男子校から共学化された安田学園(墨田区)は、予想通り応募総数が590→1,347名で128%増、受験者総数では455→1,014名と123%増と大人気となりました。すべての回で応募者が増えていますが、特に目立つ先進1回の午前は適性検査型入試で、入学金および6年間の授業料免除の特待生選抜を兼ねており、都立両国高附などの公立一貫校との併願者が313名受験し正規合格(特待生)が24名、スライド合格が102名です。

かえつ有明(江東区)は中1から高1まで別学授業の導入で話題になりましたが、「21世紀型グローバル人材」の育成を目指す教育、学習支援センターを設置して担任・教科担当・チューターとの連携による学習指導などに高い支持を得ていて、一般生の応募者が2,377→2,431名と前年を上回って好調を維持しています。なお前年までは男子の定員がやや多かったのですが、今年から男女の定員は同数になっています。また注目されるのは帰国入試の応募者数で、この3年間の推移は、107→252→337名と爆発的な増加です。

東京都市大等々力(世田谷区)は特進3回を廃止して帰国入試を新設しました。2010年の共学化以来応募者増と難易度の上昇が続きましたが、今年は応募総数が4,103→2,567名と37%減となりました。特進は応募者減の割に合格者を減らさなかったので、ボーダーあたりで緩和しているようです。これは特進の試験回を減らしてグレード上位の特選に募集の比重を移しチャレンジ層が大きく減ったためです。帰国入試は応募者41名で合格者は34名と初年度としてはまずまずのスタートです。2015年入試では中学の定員を40名増員し、グローバル・リーダーズ・クラスを帰国生、一般生各20名で新設します。

三輪田学園
東京農大第一

東京農大第一(世田谷区)の応募者は前年総数で9%減でしたが今年はほぼ前年並みです。ただし男子が6%減、女子6%増と男女でことなる応募状況でした。男子の減少は東京都市大付との競合によるものでしょう。今春は難関大学の現役合格実績が好調で、東大2名、一橋大2名、東工大3名、阪大1名、東北大4名、北大2名(東工大の3名と阪大の1名以外は現役)、早慶上智大は68名(内現役62名)でした。

青稜(品川区)は新校舎建設中で2014年9月に完成予定です。2012年に応募者が総数で11%減となりましたが、2013年は22%増、今年は3%増、受験者数では8%増です。高校募集と新校舎建設中という事情で合格者が508→437名と大きく絞られたためすべての回で倍率・難易度とも上昇しています。

文教大付(品川区)は2年前に校長に就任した前都立白?高附中校長の星野喜代美先生の「学内学習塾」など矢継ぎ早の学校改革と新校舎の一部完成により人気が急上昇しています。応募者が総数で1,103→1,411名と28%増で、合格者を絞り込んだため倍率・難易度とも上昇しています。元気のいい星野校長を中心に教員、生徒ともに勉強・部活動・学校行事に活気が出てきており、この勢いはまだまだ続きそうです。

穎明館(八王子市)は八王子市といっても高尾山麓で決してアクセスはよいとは言えず、1学年170~180名程度の学校規模なため目立ちませんが、多摩地区の中堅進学校では大学合格実績が良好な学校です。2012年の制服改定で女子受験生の人気が急上昇し、2012年春の大学合格実績で東大7名、東工大5名などで男子の人気も上昇し、2013年は応募総数が18%増となりました。今年はその反動か男子は応募総数が15%減でしたが、女子は人気を維持していて6%増です。

(おわり)



[次回予告] 「2014年中学入試速報!― 2月 神奈川の私立中入試(1) ―

第59話では入試速報シリーズの最後、神奈川の私立中入試についてご報告します。神奈川は日本の近代私学発祥の地のひとつで、ミッション校や伝統校が多く、私立中入試が文化として根付いている地域です。次回は注目される神奈川の私立中の入試状況をお伝えしていきます。

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